ショスタコーヴィチShostakovichの交響曲第5番

この記事は3年以上前に投稿された古いものです。

この交響曲5番は、ソ連スターリンの時代に作曲されたものです。初演は1937年11月21日というから、悪名高きスターリンの大粛清(1937~1938年)の時代です。闇へ連れ去られ、60万人以上が死刑となり、約190万人が収監された時代だったのです。ショスタコーヴィチShostakovitchもプラウダ(共産党のプロパガンダ紙)酷評され、作曲もできない失意の中にあって、名誉回復を狙って書いたのが交響曲5番です。

共産党は独裁政治です。スターリンの大粛清、中国赤軍の文化大革命、四人組どれを取っても、そこに人間賛歌はありません。
体制のために人間を道具とし手段とした共産党は、20世紀末世界から姿を消しました。(中国もロシアも今や共産主義国家ではありません)
例外的に日本共産党だけが残存していますが、これは虚偽、偽善欺瞞を装っているからです。一皮剥げば「独裁政治」が牙を剥いてます。日本共産党は破防法の調査対象として、今も公安が監視している団体です。また、ハイエナだと言った政治家がいますがまさに言い得て正しい。国家転覆を虎視眈々こしたんたんと狙うハイエナです。
(ぁ!ムキになってしまった。)

このショスタコーヴィチの交響曲第5番は、別名「革命」と名付けられています。これは日本だけの悪趣です。ソ連革命20周年を記念した作品とは言え、当時のスターリン粛清下では、やむを得なかった訳で、今やこの別名は返上すべきでしょう。

アレクセイ・トルストイAleksey Nikolayevich Tolstoy(文豪レフ・トルストイとは違う)によって「社会主義リアリズム」のもっとも高尚な理想を示す好例と絶賛されたお陰で、ソ連国内外で評価され、交響曲第5番の発表以降、徐々にショスタコーヴィチは名誉を回復したとのことです。
我々日本人には分かりませんが、共産党支配下での名誉回復は、生死に係る大問題なのです。トルストイが差し伸べた善意の手に助けられたショスタコーヴィチは音楽家として復活しました。

ショスタコーヴィチの交響曲第5番の演奏は、バーンスタイン指揮のものが一番良いかもせれません。(好きです)
この演奏は、1979年7月3,4日、東京文化会館(上野)で開催されたコンサートを収録したものです。
バーンスタインBernstein指揮、New York Philharmonic Orchestra 演奏によるものです。(YouTubeより)

最後になってしまいました。先日、西本智美のショスタコービッチ交響曲第5番を聴いてきました。
西本智美と言えば、ロシアの印象。なかなかいい演奏でした。
あの細い身体からだで、どこからあの迫力が出せるのか感心しました。

あゝ、こういった難しい曲を聞き始めるようになると、次はマーラーかなと思ったりして、少々思い詰めちゃいます。

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