リカレント教育

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リカレント(recurrent)とは、反復、循環、回帰を意味し、リカレント教育は、回帰教育とか循環教育と訳せばいいのでしょうか?「人生100年時代構想会議」で重点項目として掲げられたのが、「リカレント教育」です。

Gösta Rehn

同一労働同一賃金で有名な、スウェーデンの経済学者イェスタ・レーンGösta Rehnが提唱し、1970年ころから経済協力開発機構(OECD)で取り上げられた生涯教育構想がレカレント教育の始まりです。実は、古くて新しいテーマなのです。

リカレント教育の定義は、「すべての人に対する、義務教育または基礎教育終了後の教育に関する総合的戦略であり、その本質的特徴は、個人の生涯にわたって教育を交互に行うというやり方、すなわち他の諸活動と交互に、特に労働と、しかしまたレジャー及び隠退生活とも交互に教育を行うことにある。」とあります。

最近、リカレント教育がクローズアップしてきたのは、人生100年の時代になったことで、注目を集めだしたのです。
日経ビジネスでも「幸せ100歳達成法」などと特集を組んでます。今や、人生100年は、少々流行はやり言葉になってきました。

LIFE SHIFTの著者リンダ・グラットンLynda Grattonは、「教育 → 仕事 → 引退 」 といった「単線型人生(これを3Stageと云います)の旧来の世代では、20代前半で受けた技術的教育が、60代まで時代遅れにならないように留意するだけでよかった」と言ってます。

リンダ・グラットン
Lynda Gratton

しかし人生100年の時代、3Stage の生き方は、もう耐用年数切れてると言ってます。
人生100年という長寿時代になると、複線型(Multi Stage)に改めざるを得ないそうです

これまでの3Stageだって、単純な人生ではなかったと反駁したくなりますが、くくって観れば 3Stage Lifeになります。難しい時代になって来たものだと思います。

人生100年時代への長寿化が、いま変革を余儀なくしてるのは、これから、人生の船出をしようとしている人たちが対象です。
著書 LIFE SHIFTの冒頭「日本語版への序分」に紹介されている”幸せな国、日本”には、このように書かれています。

日本は、世界でも指折りの幸せな国だ。世界保健機構(WHO)の統計によれば、ほかのどの国よりも平均寿命が長い。所得や人口、環境の質など、世界の国のランキングには様々なものがあるが、平均寿命という極めて重要な基準で日本は世界のトップに立っている。100歳以上の人センテナリアンCentenalianはすでに、6万1000人以上。今後、100歳を超えて生きる人はもっと珍しくなくなる。

長寿化は、社会に一大変革(LIFE SHIFT)をもたらします。その変革は、働き方や家庭の在り方まで、大きく変えてゆくようです。
すでに老齢に達した人々の話ではありません。老後はまだ先のことだと思っている人達に突きつけられた大問題なのです。
確かに昨今、少子化、年金、都市の人口集中、ジェンダー・ギャップ(Gender Gap)、貧困と教育格差など、いまの社会問題は、長寿化に起因するところが大きいのです。

こういった、LIFE SHIFTという大変革を迎えた我々に、突きつけられているのがリカレント教育なのです。しかもリカレント教育について言えば、現役を退いた人にとっても無縁では無いのです。

(次ページに続く)

 

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