父の遺産「日本の将来推計人口」に思う

書棚を整理していたら、亡き父が作った「日本の将来推計人口」なんていう表が出てきた。今日は父の27回忌の祥月命日になる。

平成2年(1990年)の作成とあるから父69才のときに作ったもの。

70年先の2060年までの推計だが日本の人口は減り続け、老年人口比は増え続けると予測している。

当時の2020年予想は……

総人口:1億2690万人
年少人口比:15.5%
生産年齢人口比:59.4%
老年人口比:25.2%
平均寿命(男):77.81才
平均寿命(女):83.79才

2020年の答え合わせをしてみよう。(30年後の結果は?)

総人口:1億2571万人で予想より▼119万人も減ってしまった。
年少人口比:12.0%でこれまた予想より3.4ポイントも低い。
生産年齢人口比:59.3%で予想より僅かに低いがほぼ予想通り。
老年人口比:28.7%で3.5ポイント上回って老齢化進んでいる。
平均寿命(男):81.64才で3.83才(3才10ヶ月)伸びた。
平均寿命(女):87.74才で3.95才(3才11ヶ月)伸びた。

父の予想を上回る少子高齢化が進んだことになる。その原因は老人の長寿化でしょう。長寿化はある意味でおめでたいことです。

ところが、2021年をピークに2022年少し減り始て来ました。

厚生労働省が29日に発表した簡易生命表によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳だった。新型コロナウイルス流行の影響で、20年と比べて男性は0.09歳、女性は0.14歳短くなった。前年を下回るのは東日本大震災の影響があった11年以来10年ぶり(日経新聞 2022年7月29日より)

世界的に見ても平均寿命はコロナの影響を受けて減少しているようです。予期しなかったコロナで人口が減っています。

厚労省の推計では2040年には人口1億727万人となり、人口減少に歯止めがかかりません。そのころ自分は90才になってます。
更に10年先の2050年の頃は鬼籍になって語るべき是なしです。

日本の人口減少は何も手を打たなければ減り続き、日本経済の活力は減退するでしょう。高度経済成長を遂げたのは人口ボーナスだったし、バブル以降の長期低迷も人口オーナスが原因だともいえます。
少子高齢化は誰も手を打てない問題のように言われていますが、それは違います。

島国日本は地政学的に大量移民が起こらない特徴があります。
米国は移民によって作られた国ですし、ヨーロッパの国々も大量移民(民族移動)によって出来上がったとも言えます。
島国であるイギリスでも植民地のインドから移民を受け入れてきました。だが日本だけはそういった植民地がなく、移民を送っても受け入れた歴史が殆どないのです。

話が少しれました。人口問題は経済、政治、文化すべての根幹をなすものです。少子高齢化と人口減少による不活性化を防ぐには大量の移民を受け入れることしかないと思うのです。

日本はジェンダー・ギャップ(Gender Gap)などが問題にされますが内向的な問題です。むしろ移民を積極的に受け入れるような政策転換に舵を切って外向的に人口問題を解決するべきだと思うのですが如何でしょう?

 

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