やさしいことばで日本国憲法を

この記事は3年以上前に投稿された古いものです。

夜と霧 新版(ヴィクトル・フランクル Viktor E. Frankl著) を翻訳した、池田香代子さんが翻訳している「やさしいことばで日本国憲法」を読みました。というより絵本だから、眺(なが)めてみました。

これまた「100人の村」のような、おとなの絵本なのです。
しかしながら、なかなかどおして考えさせられてしまいました。

池田さん自身の「まえがき」と、C.ダグラス・スミス氏の解説が「憲法のことばをほどいてみると」が翻訳されたものです。

「まえがき」に書かれています。

日本憲法が高らかにうたっているのは、戦争という未曾有の惨事に傷ついた人々が、命の犠牲を払わされた人びとの願いはこうもあろうかと、万感の思いをこめて未来へ託した夢だ。

「やさしいことばで日本国憲法」一連のブログをご紹介します。

    1. 前文 ラミス池田が読むとこうなる乃巻
    2. 第1条と第9条 永久にこれからは、ずっと乃巻
    3. 第10条から第12条 日々たたかいとられている権利乃巻
    4. 第13条と第14条 個人と人のあいだ乃巻
    5. 第15条から第17条 議員を「先生」と呼ぶなかれ乃巻
    6. 第18条から第20条 徴兵制の足音乃巻
    7. 第21条から第23条 国家の制約をうける自由?乃巻
    8. 第24条 さまざまな結婚は可能か乃巻
    9. 第25条と第26条 生きること、学ぶこと
    10. 第27条から第30条 義務への疑義
    11. 第31条から第34条 罪を問われる立場で
    12. 第35条から第37条 罪を問われる立場
    13. 第38条から第40章 国家権力から被疑者を守る
    14. 第95条 地元第一主義
    15. 第96章 憲法を変えるには
    16. 第97章と第98章 最高の法
    17. 第99条 憲法を守るのは誰か

2013年12月~2014年1月に書かれたブログですが、初めて見る英語版憲法の翻訳は、読んでみると新鮮なものを感じるのです。

なぜ英語版憲法があるのか?「六法」に「憲法英文」が載せられていそうです。もともとGHQのスタッフによって草案された憲法が、日本語に翻訳されたいきさつをもっています。
もちろん日本語版と英語版の憲法は同等ではありません。日本語版だけが日本国憲法であることに間違いありません。

しかし、英語版に法的拘束力はないからといって無視するわけにもいきません。英語版の憲法は、憲法の真意を”ほぐす”に重要な鍵をもっているようです。

戦後70年以上経って、戦争にトラウマを持った世代、われわれの父母の世代は本当に少なくなりました。その世代の思いが、夢がこの憲法に伝わってきます。
憲法改正について、いまの憲法が現状にそぐうか、そぐわないかといった議論で片付くようなものではないような気がします。

この日本の国の憲法は、戦後たしかにアメリカ人と日本人が知恵と力を出し合って作った憲法です。だからこそ英文が今も存在していて良いのだと思います。

そう、この英語版は憲法の哲学版です。憲法で不戦と民主主義の夢を描いたものです。戦争にトラウマをもった人びとが、不戦の夢を描いたものなのです。

わが国日本のデモクラシーの理想を高々と掲げた憲法なのです。

 

 

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