カモを観ながら地球温暖化を思う

この記事は3年以上前に投稿された古いものです。

Bird Wacherにとって冬はカモの季節です。カモ(オス)が綺麗になると、カモを見に東京近郊の湖沼に足を運びたくなります。

東京港野鳥公園だけでなく、新宿御苑浜離宮浮間公園皇居や行徳の野鳥公園(宮内庁新居浜鴨場)にも出かけてみました。
東京近郊で観察されるカモは多い。近くの目黒川でもカモの観察ができます。カモの観察は初心者にも楽しいし、結構奥が深い。

住宅地やマンション、物流基地に囲まれた谷津干潟

バード リサーチで「モニ1000 ガンカモ類調査 講習会」がOnlineであり、翌日の谷津干潟で実習があり、参加してきました。

モニ1000では、長年のモニタリングで、近年カモに変化が現れてると言っています。原因は気温上昇で、ガンカモ類が増えて来ているそうです。ガンカモの個体数増は、特に北米やヨーロッパで著しくここ数年で倍にも増えたガンがいるそうです。

カモは春になるとシベリアへ帰っていきます。シベリアで繁殖しそしてまた冬になると、子ガモとともに日本にやってきます。
グローバルな気温上昇でカモが増えるのは、次のような理由があるそうです。(カモの生態は地球規模の気温上昇を反映します)

    • エサになる植物の生育が活発になる。
    • 氷雪が早く融けて、繁殖期が長くなる。
    • 異常に寒い年などの繁殖失敗が少なくなる。

気温上昇の原因は、大気中のCO2濃度上昇が要因と言われています。大気中のCO2は海水に溶け込み、海水のCO2濃度を上げ、海洋酸性化が進むそうです。

大気中CO2は海水が緩衝作用をなしてるので急激に増えない。逆に大気中CO2は簡単に減らすこともできません。
現在では海洋酸性化は、温暖化と同時進行していることが分かっています。

いま脱炭素の一つとして、ガソリン車からハイブリッド、電気自動車へ転換する政策が叫ばれています。自動車産業が新規市場開拓として利用している処もありすが、自然環境を守る上で大切な政策であることに間違いありません。

茹でガエルの諺がある。「カエルは、いきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、常温の水に入れて徐々に水温を上げていくと逃げ出すタイミングを失い、最後には死んでしまう…」

ぼくらは中長期的な変化に疎く、ほとんど見通せないものです。
バブルもリーマンショックも予測できなかったし、自然災害やコロナなどパンデミックも想像さえしなかった。いくら警鐘が鳴らされても、都合の悪いことは見て見ぬ振りをしてしまうのです。

まだ子供の頃、霜焼けの手をこすりながら、霜柱を踏みしめて、氷が張ったバケツをひっくり返したりして遊んだ経験は今はもうできない。いつの間にか木枯らしに身をかがめることも無くなってしまった。これがつい昔だったと、思い出して欲しいのです。

僕らは「茹でガエル」になるのだろうか?パリ協定を離脱すると豪語した大統領もついに去る時が来たようです。
「パリ協定」が採択されてから5年、国連のグテーレス事務総長は「気候の非常事態」を出して警告しました。(パリ協定採択から5年NHKニュース)

新型コロナウィルスも気象温暖化もグローバルな問題です。自国が良ければい良いといった考え方は通用しません。今では、国家という枠組みまでもが邪魔になって来たように思えます。

21世紀も20年過ぎました。新しい世紀はどういった世紀か?少し見え始めてきたように思えます。

カモのように自由に移動することは人間にはできません。
カモのモニタリング調査の結果を聞いて、地球温暖化について改めて考えさせられました。

もう人まかせにできない状態に来ているようです。脱炭素への取り組みは、コロナ対策のように一人ひとりが取り組まなくてはならない課題なのです。

 

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