戦争の始まり方

昨日(5/13)、ホルムズ海峡でタンカー2隻が砲撃を受けたというニュースが携帯に通知された。すぐテレビを点けNHKを見た。

何も変わったことがないような番組が流されてた。テロップも表示されてない。
日本の報道機関の無神経さに呆れた。

いま安倍首相がイランを訪問している。イランと米国との緊張が始まったのは、トランプ大統領のイラン核合意を放棄してからです。

これについては、琉球新報の社説がよく情勢を捉えているので、これを引用します。

中東情勢が再び緊迫の度合いを増している。イランのロウハニ大統領が8日に核合意の一部停止を表明した。核武装を疑う米国は即座に追加制裁の大統領令に署名し、両国関係は既に報復の連鎖の様相を呈している。軍事的な緊張関係は一触即発の危機をはらんでいる。
 しかし発端はトランプ米大統領の昨年5月の一方的な核合意離脱にあるのは疑いない。
 2015年7月のイラン核合意は、米英仏中ロにドイツを加えた6カ国で締結された。核開発計画を秘密裏に進めていたイランに、軍事転用可能なウランの濃縮活動の10~15年の制限など核開発の大幅な制限を課した。その見返りに欧米は制裁を解除し、イランは原油や天然ガスなどの輸出が可能になった。
 核合意そのものはウランの濃縮活動を全面的に禁止はしておらず、欠陥もあった。しかしイランは合意をこれまで全面履行している。
 曲がりなりにも、危ういパワーバランスの維持から国際協調路線にかじを切った「歴史的」とも評された合意だった。米国の一方的な離脱表明は、国際秩序を混乱させる暴挙と言わざるを得ない。
 離脱表明以降、米国は経済制裁を再開している。自動車部門を第1弾に原油や金融、海運部門と、その範囲を拡大した。その結果、イラン経済は通貨暴落、物価高騰、失業率の増加と三重苦にあえいでいる。欧州の支援もないまま、追い詰めたことは間違いない。
 核合意の一部停止表明で、イランは合意の枠内にとどまることは表明している。しかし今後60日間で交渉に進展がなければ、濃縮度の高いウランを製造するといった方針も示している。
 体制が揺らぎかねない事態を前に窮余の策で切った危うい外交カードだが、脅しの外交が通用するとは思えない。むしろ米国や敵対する中東のサウジアラビア、イスラエルなどに、緊張関係をエスカレートさせる口実を与えることにならないか。実際、イランの孤立を歓迎する動きも、これらの国で出ている。
 ロウハニ大統領の表明後にトランプ氏が署名した追加制裁は、イランとの鉄や銅などの金属取引が対象だ。石油関連に次ぐ輸出部門の収入源であり、これを制限すれば、国民生活がますます疲弊するのは避けられない。
 イラン国軍や革命防衛隊は臨戦態勢を整えたと伝えられる。指導部は米国への挑発的行動は控える認識を共有しているという。しかしイランの支配下にあるイラクやレバノンなどの民兵組織や革命防衛隊の末端による偶発的な衝突が懸念されている。
 トランプ氏が核合意の離脱を表明してから1年が過ぎた。両国首脳は、いま一度冷静になって国民の生活と安全、安心のために知恵を絞るべきだ。関係各国が一致協力し、国際秩序の維持に向けた努力を続ける必要がある。

2019年5月10日琉球新報の社説より

戦争には方程式があるように思えます。戦争はひとの弱みに付け込んで、敵の不実を罵り、自らを正当化することから始まります。
それは、当初より仕組まれ企てられたものですが「止むを得ざる理由によって事態の悪化を引き起こした」かのように見せかけることから始まります。

ところが内実は、背後に強大な勢力を持ち、戦争によって勝てる目算をたてた上での言動なのです。たとえ同情に耐えない行動であったにせよ、誅せざるを得ない情勢だといい、敢えて切り捨てざるを得ないと、言い振る舞うのであります。
結局、大国つよき小国よわきを挑発し、蹂躙するのが戦争なのであります。

かつて、日本の満州事変や中国侵略がそうであったように、また朝鮮動乱もベトナム戦争もイラク戦争も、これまた大国アメリカが仕掛けた戦争でした。今回のイランも極めて危うい情勢にあります。
G20であれ、強い国際世論を作って大国アメリカに対処してもらいたい。
プラハ宣言をしたオバマも、核合意離脱したトランプも、ともにアメリカ大統領であります。アメリカには2つの顔があります。

強い国際世論が通らない筈はない。これに期待するしかない。

 

 

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