いのちの証言

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六草いちかの「いのちの証言」を読みました。この本は副題に、「ナチスの時代を生き延びたユダヤ人と日本人」とある通り、あの忌まわしいナチスのユダヤ人迫害の証言を、六草いちかがインタビューし、聞き取った証言記録です。

ナチスの時代、ベルリンには1万6千人の ユダヤ人がいたそうですが、戦後6千人に減っていたそうです。凄まじいユダヤ刈りだったことが解ります。
その中でも、僅か生き残った人がいたのです。そして生き残ったユダヤ人の人々の影に日本人が居ました。
日独は同盟国であったとは言うものの、ユダヤ人を、かくまい助けた日本人が数多く居たそうで、そんな事実を知って、少し誇らしく思えました。

日本にワインを紹介した先駆的なワイン研究家 古賀守もそのひとりで、ユダヤ人をかくまってドイツ脱出を手伝ったそうです。このモリパパHPの「ワインの履歴書」で、古賀守を紹介したことがあり、何かご縁を感じました。敬意を表しHPに「…ナチスからユダヤ人を匿った人道主義者だったのです。」との一行を書き加えました。

一人ひとりの人生を大切に思うからこそ、一人ひとりの人生こそが目的価値だと思うからこそ、戦争の災禍に苦しんだ、名も無き人々の「いのちの証言」を残しておかねばなりません。人類の負の遺産として残しておかねばなりません。

この本を読んだあと、思い出した書籍があります。創価学会の青年部反戦出版委員会が編纂した「戦争を知らない世代へ」と題するシリーズで、悲惨な戦争の証言を収集・取材・記録した一連の書籍です。1974年から出版が始まり、完結したのは1985年。実に全80巻、12年にも及び出版されてきました。
沖縄の凄惨な戦争、広島の原爆など、惨禍から奇跡的にも生き残った人々の証言集です。これこそ日本の「いのちの証言」です。

『戦争を知らない世代へ』シリーズの書籍一覧を開く

 

 

戦後はもう72年経ってしまいました。当時18才の少年・少女は、今では90才です。故人となった方も多くなりました。記録できるチャンス、時期は限られていることを今更に感じます。

「戦争を知らない世代へ」が出版された当時、大きな反響はありませんでした。しかしこれから「いのちの証言」として遺産価値が認められるでしょう。
当時、この出版を決断した先見性と、無償で取材した方々の努力、取材に応じてくれた方々に、心より敬意を表したいと思います。