月曜から土曜日まで毎日7:00~ NHKのBS Premiumで放送される「里山」という番組は、非常に良い番組です。『里山、それは人と生きものが共に暮らす自然。いのち響きあう美しい世界へとご案内しましょう。』とのアナウンスで始まる15分の番組です。
日本の原風景を映しだしているような、人が関わる美しい日本の自然が紹介される。子供の頃に見たような風景が映し出される。
考えてみれば、日本の自然は、人の手が入らぬような大自然ではなく、人がかかわってできた自然なのでしょう。里山に紹介される自然の豊かさこそ、日本の景観なのです。
スズメ研究家 佐野昌男さんの記事(聖教新聞2014/4/4)を見た。
三宅島、御蔵島、新島でのスズメの暮らしが紹介されていた。
三宅島はかつての大噴火で無人島になったことがあり、無人島になるとスズメの姿が消えるんだそうです。
御蔵島でも人口の変化でスズメの個体数に変化があったそうだ。
スズメにかぎらず、人の生活が影響を及ぼし、人と自然の調和がとれた環境が里山なのだ。里山は日本の原風景そのものなのだ。
日本には手付かずの大自然は殆どない。オーストラリアやアメリカで見るような、前人未踏の大地はほとんど無い。
日本の自然林は、鎮守の森にあり、人里にあるのです。
そして、日本の景観は人里、里山として形造られてきたものなんです。
これを綺麗に守ることが、やがて貴重な観光資源になるはずで、都市部の景観もその延長線にあると思っています。
かつて宮脇昭 先生の提唱で、新日鉄大分の敷地境界に、鎮守の森構想としてシイ、カシを植樹された。あれから30年以上経ったと思うが、立派な帯状の森が出来上がっている。
お陰で新日鉄の工場は、道路から見えない。
でも人里の臭がしない。人里の森や川が日本の原風景です。一直線に帯状に鬱蒼とした森を作っても、どこか違う。
里山のように人の背丈で見る視点をもった自然が、日本には必要です。人が手を加えた竹林や、田植えを終えた水田や、手入れされた畦道に咲く彼岸花の風景が必要なんです。
放置すれば2,3年で荒廃する日本の自然を維持するために、
里山基金を創設してはどうだろうか。敏感で遷ろいやすい日本の自然を、日本の風景を守るために。