イマニュエル・ウォーラーステイン(Immanuel Wallerstein)の世界システム論に見る。世界経済は政治的な掣肘を超えて発展してきた。それはコーヒー、綿花、サトウキビなどの交易が雄弁に物語った。
近代世界システムにおいて世界経済のもたらす利潤分配は著しく中央に集中するが、統一的な政治機構が存在しないため、この経済的不均衡の是正が行われる可能性は極めて小さい。その為、近代世界システムは内部での地域間格差を拡大する傾向を持つ事になる
そしてヘゲモニー国家(覇権国家)は変遷した。17世紀中葉はオランダ、19世紀中葉はイギリス、そして第二次世界大戦後からヴェトナム戦争までアメリカがヘゲモニー(hegemony)を握っていた。西洋中心主義(Eurocentric)ではあるが、これまでの世界的歴史観から見ると蓋然性があった。
でもこれからは違う。偏在する世界の資産は、資源にせよ、労働にせよ、金融にせよ差益を産まない構造になっていく。
それはInternetによる情報化の急速な進展が、偏在を許さなくなっている。物流を含む情報は偏在を許さなくなっており、差益を享受できなくなる。