最後に、ニューカレドニアのことを、ちょっと紹介して終わります。
面積は四国ほどで、山は高くなく最高でも1639m(Mont Panie)です。人口構成はメラネシア(Kanaks)4割、フランス人3割、その他アジア系だそうです。人口の6割が集中するヌーメアではフランス人の方が多いような気がします。『南太平洋に浮かぶフランス』です。過去5年間、国外からの移民の数(移民が全人口に占める割合)が23%を占め、年令(中央値)も33才と若い国です。
経済は、GDPの2割がフランスの援助で、1割がニッケル(Ni)産業です。その他観光などです。
観光に来る方は、気にすることが無いニッケル産業ですが、ニューカレドニアはニッケルの島です。
明治25年ニッケル鉱山採掘場で働くために、日本人男性600名が来ています。その後、第2次世界大戦が起こる前までは、5,581名もの日本人がニッケル鉱山に働きに来ていたたそうです。
近年ニッケルの需要が伸び、ニューカレドニアでも新プロジェクトが、そろそろ稼働し始めました。
ニッケル産業で、フランス援助の経済から脱却できる日が来るのでしょうか?
<ニッケル産業の概要>
現在、SLN(Soiete Le Nickel)社(Eramet60%,日新製鋼10%,STCP30%出資)は最大で、4ケ所の鉱山(Nepoui,Kopeto,Thio Kouaoua,Thiebaqui)を所有し、ヌーメア市街地に近いDoniambo(ドニアンボ)製錬所を持っている。
精錬所へは船舶で鉱石を搬送し、フェロニッケルとニッケル・マットを生産しています(現在の生産能力:年間7.5万トン)。ここの製錬所に3基の電炉があり、ニューカレドニアの全電力の約80%を消費してます。【2006年実績:年間生産量62,383t(Ni金属量換算、鉱石Ni品位2.5-3%)、売上げ1,068億CPF、従業員2,230名】
ニューカレドニアのニッケル鉱石は10万〜12万トン(Ni金属量換算)産出され、SMSP(Ste Min Sud Pacifique)、Ballande、Montagnatなどの小規模地方企業が供給しています。採掘方法は殆どが露天掘りです。
<ニッケル新プロジェクト>
Goro(ゴロ) Project(住友金属鉱山11%,三井物産10%出資、約400億円)は約19 億米ドルで、鉱山(ラテライト鉱)及び製錬プラント(湿式)建設プロジェクトで、現在ほぼ完了しました。年間生産量ニッケル6万t(Ni金属量換算)、コバルト5,000t(Co金属量換算)。
Koniambo(コニアンボ) Project(SMSP51%,Falconbridge49%)は16億米ドルのJVproject。鉱山(ガーニエライト鉱)、フェロニッケル製錬所(乾式)、港、発電施設を建設するプロジェクトです。
(以上「資源開発環境調査 ニューカレドニア New Caledonia」より引用しました)