TPPを11カ国で調印

この記事は3年以上前に投稿された古いものです。

米国を除いた新協定「TPP11」の合意文書が正式署名されました(2018.3.8)。今回調印した11ヶ国で世界経済GDPの約13%を占めるそうです。もし米国が加わっていれば4割を占める巨大経済圏だったのですが、随分と小さな経済圏になってしまった。

今回「包括的かつ先進的TPP協定(CPTPP)」としたそうです。

包括的(Comprehensive)だか先進的(Progressive)だか知らないけど…

CPTPP (Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)は、本来の思惑とは、まるで違ったものになってしまいました。

以前、巨大経済圏のTPPの実力として、喧伝されたサイトも今は空しい。
米国の巨大経済圏、即ち1,412兆円の市場が加わらなかったことは、誰が見ても「なんじゃこれ?」ってなことになったのです。

アメリカのGDP 14,119兆円が抜ければ、日本の5,069兆円がTopとなり随分と規模が小さくなり、経済的意味も違ってきました。

トランプ大統領が署名したTPPに関する大統領令には、「アメリカがTPP交渉から永久に離脱することを指示する」と記されてます。これでアメリカがTPPに復帰することはほぼ無くなりました。

この協定の真意は以前書いた通りです。(以下の通り)

先進国は市場フロンティア拡大のため自由貿易協定で安全を担保し、途上国は安値を武器に資源輸出を拡大するのです。
この構図は、覇権国=先進国は永続的に覇権を保ち続け、途上国は何時までたっても、隷属的な関係から逃れられないことを意味します。

日本が主軸になったところで市場フロンティアの拡大は、多くを望めません。

政府試算でもこの程度ですから、小じんまりとしたTPP11と日欧-EPAで落着きました。

アメリカが、自ら自由貿易から手を引いたことで、あの大騒ぎだったTPP交渉は夢の跡のようです。
ニュースにもなりません。しかし世界経済は大きな曲がり角に来ています。

横暴なアメリカと狡猾な中国の経済戦争になるかも知れません。世界は、時代の変換期を迎えたようです。