春国岱の読み方が分からなかったが、これもアイヌ語でスンク・ニッ・タイから来てるそうでシュンクニタイと読みます。意味はエゾマツの林だそうで、アカエゾマツが群生する珍しい所です。
ラムサール湿地に登録された長さ8kmの砂州で、野鳥がワタリの休憩地としている所です。この4月中下旬運が良ければミヤコドリが見られると聞いて4月15日~17日に行ってきました。
4月15日午後4時頃に到着し早速カメラを持って出掛けてみた。
はるか向こうの木道手前にいる鳥はミヤコドリらしいことが分かった。にげられないよう、ゆっくり近づこうとしたが、辺りのオナガガモが一斉に慌てて飛びったってしまった。
双眼鏡を外したら、すぐ脇をキタキツネが魚を咥えてゆっくり歩いてたのです。なんだキタキツネのせいだったのか?
否、キタキツネが来たからカモが慌てて一斉に飛立った訳じゃなかった。
反対側にオジロワシがテトラポットの上に舞い降りてたのです。これに驚いてカモが一斉に飛び立ち、つられてミヤコドリも何処かへ行ってしまった。
はじめてオジロワシを見ました。隣のカラスの大きさと比較すれば、その大きさが分かります。実に大きく風格があります。
初日はミヤコドリを確認するだけで満足し、バードウォッチを終え宿に帰りました。
さて、翌日の朝は天気が崩れ、午前中は気温1℃で強風が吹き荒れました。ダウンジャケットのフードをすっぽり被っても、寒くて手袋した手もかじかむほどでした。
でもせっかく来たんだし、10時の干潮時に合わせて、昨日の場所の先500mまで強風のなかを出かけました。
だがミヤコドリは見かけません。がっかりして帰りかけたとき、僅か2羽のミヤコドリを見つけました。
どこからともなくミヤコドリが集まり、近くまで来ていました。連写で写真を撮りまくりました。そのころ風が止み始めました。風が収まるまで鳥は何処かへ退避していたのかも知れません。
幸運にもミヤコドリを近くで見て写真を撮ることもできました。
他に、ここ春国岱ではオオハクチョウが沢山飛来します。飛翔する姿や餌をついばむ白鳥を見ることができ、たくさん写真を撮ることもできました。コハクチョウは居ませんでした。
タンチョウもまだ抱卵期の直前で、あちらこちで見かけました。
カモはオナガガモ、ヒドリガモが大群をなしています。その中にウミアイサが混じっていました。これも初めて見ました。
カモメも多く見られました。数も種類も多く他では見られないようなオオセグロカモメ、シロカモメ、ズグロカモメも普通に見られました。
林内では早春に咲くミズバショウ、ザゼンソウ、フクジュソウが見られました。
春国岱のアカエゾマツ林への木道が崩れていたため、近くまでいけませんでしたが遠くからでも楽しめました。また夕日が素晴らしかった。
野鳥の宝庫、春国岱はバードウォッチャーなら一度は訪れたい、道内屈指の名所です。
バードウォッチャーなら、何が観られるか時期を決め、潮位を計算し、準備して出掛けてみてください。一日いても見飽きない体験をすることでしょう。
根室市ワイズユースの会が作った「春国岱の原生野鳥公園ガイド」に乗っていた4月の野鳥はこんなふうに分類されてました。
これってうまい分類(表現)ですよね。気に入りました。
- ぜったい見られる(と思う)
ヒドリガモ、オナガガモ、ウミネコ、シロガモ、オオセグロガモ - ちょっと気をつければ見られる
オオハクチョウ、ウミアイサ、タンチョウ、ミヤコドリ、オジロワシ、アカゲラ、ハシブトガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ - よぉーく気をつければ見られる
マガモ、ハシビロガモ、コガモ、スズガモ、クロガモ、ホオジロガモ、アオサギ、ワシガモ、オオワシ、コゲラ、ヒガラ、ヒバリ、ミソサザイ、カワラヒワ、ベニマシコ - めったに見られない
ヨシガモ、ビロードキンクロ、カワアイサ、ダイサギ、メダイチドリ、オオジシギ、オオソリハシシギ、ハウロクシギ、キョウジョシギ、ユリカモメ、カモメ、セグロカモメ、オオアカゲラ、カケス、キクイタダキ、ショウドウツバメ、ウグイス、エナガ、エゾムシクイ、キバシリ、アカハラ、ツグミ、ルリビタキ、ノビタキ、アトリ、マヒワ、ベニヒワ、ウソ、シメ、アオジ、オオジュリン
この中で「1.せったい見られる。」と「2.ちょっと気をつければ見られる」は、全て見ることができました。
「4.めったに見られない」の中でもキバシリを見たときは、感激でした。
写真にとっても、どこに居るか分からないですね。(右上です)
バードウォッチャーになりきってますね。小生の道楽も講じてきました。
さて、時期を変えてまた訪れたいと思って、帰路につきました。