ワインのおいしさの表現
有名なソムリエ田崎真也氏が言うには、 利き酒などで、減点理由を表現する言葉とは違って、 飲む立場から創作しているのがソムリエの表現方法だそうです。
そういった意味で、第1回ソムリエ・コンクールが開かれたのは1983年というのですから、風味の表現は始まったばかりです。 また、ワインの種類ごとに褒める言葉に定番があるようです。
ピノ・ノワール(Pinot Noir)に「なめし皮」と言のもおもしろいけど、ソーヴィニオン・ブラン(Sauvignon Blanc)に「猫のおしっこ」と言うのは、凄い表現力ですね。 「人の前で言ったら誰も飲まなくなるんじゃないの?」 飲む前に、表現を覚えておくと、カッコイイですよ。
「下手に使うと、逆効果でしょ!」ソムリエなら許されるけど、モリパパじゃ許されないか?(独り言です)
カベルネ・ソーヴィニョン Cabernet Sauvignon |
丁子(チョウジ)や甘草(カンゾウ)などスパイスや樹脂、 ときには杉の葉、黒い果実 |
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カベルネ・フラン Cabernet Franc |
杉の葉、赤い果実 |
シラー Syrah |
黒コショウ、黒い果実 |
ピノ・ノワール Pinot Noir |
赤い果実、なめし皮、紅茶など枯葉系 |
ネッビオーロ Nebbiolo |
鉄、オリエンタルスパイス、樹脂、赤い果実 |
サンジョヴェーゼ Sangiovese |
黒い果実、スパイス、土、枯葉 |
シャルドネ Chardonnay |
黄色リンゴ、洋ナシ、黄桃、パイナップル、 バター、ロースト、バニラ |
ソーヴィニオン・ブラン Sauvignon Blanc |
グレープフルーツ、カシスの芽、レモングラス、 芝生、牧草、グァヴァ、猫のおしっこ |
リースリング Riesling |
グレープフルーツ、青リンゴ、菩提樹の花、ペトロール |
シュナン・ブラン Chenin Blanc |
カリン 主にフランスのロワール地方で栽培 |
ゲヴュルツ トラミナール Gewürztraminer |
ライチ、ラベンダー、バラ(の花びら)、コリアンダーシード、 クミンシード 主にフランスのアルザスにて栽培 |
ヴィオニエ Viognier |
アンズ、白いバラ ローヌのコンドリューやシャトー・グリエといった小さな地区で栽培 |
サンセールの Sauvignon Blanc |
カシスの芽、火打石 |
マールボローChardonnay marlborough(Newzealand) |
レモングラス、グァヴァ |
マロラックティック発酵 Malo-Lactic(MLF) |
バター、ヨーグルト Buorgnueに多かったようですが、最近では普通になってきました |
オーク材の樽仕込み | ロースト、バニラ、ビスケット |
ワインは品種品種(セパージュ)で選ぶ
1:赤と白の違い | 人を男女に区別するように、赤と白。ロゼは赤の一種 |
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2:ブドウの品種 | 料理で言えば食材で、代表品種は数個 |
3:国別ワイン | 同じ品種でも国によって風味が違う |
4:ボトルの形 | ボトルの形は、意外と中身を保証する |
5:ラベルの見方 | ラベルはワインの履歴書(フランス語を学ぼう!) |
ここまで来ると、もうお分かりですね。 そうですワインは、まずブドウの品種(セパージュ)で選ぶことです。これはソムリエ の野田 宏子さんも言ってます。
「でも、品種ってたくさんあるでしょ。どの品種から飲みはじめるのが良いの? お勧めはあるの?」
そんな、お勧めはありませんが、多く出回っている一般的な品種から、当たるのが良いと思います。 モリパパは、ピノ・ノワールが旨いと思う時期があって、ピノ・ノワールを随分飲みました。
次に、メルローが好きになって、今はひたすらメルローにはまり込んでいます。 カベルネ・ソーヴィニョンだってよく飲みますが、まずワイン屋の棚にメルローがあるかどうか見てから、 そして値段をみて、買えそうかどうか決めて選んでいます。
一つの品種にはまり込んでみると、不思議に他の品種とどんなふうに違うのか分かってくるのですね。
「そこまでこだわらないと、ワインの味が分からないの?」 実は、モリパパは少しワイン音痴でして、ワインの良し悪しが直ぐに分からないんです。 だから、しつこくこだわって飲んでるので、 感性豊かな人は、モリパパのように飲みすぎることにならないと思います。 同じ品種を好んで飲んで何年か経つうちに、ピノ・ノワールはこの味、 メルローはこの味とハッキリ頭が覚えているんです。 ついでにカベルネ・ソーヴィニョンやシラーとの区別が、ハッキリつくようになってきたんです。
大事なことは、初めのうちは人に聞くことです。本に書いてあるワインが簡単に手に入るとは限らないから、 お店の人に聞くのが良いと思います。 そして、気に入ったワインを発見したら、お店は浮気せず同じ店で買うようにしてくださいね。 そして「この前買ったこのワインより酸味がきいたのが欲しい」とか、「もう少しコクがある方がいい」とか、 比較表現で、選んでもらうようにするといいと思います。 この方法だと、自分の好みに当たる確率高くなります。 ただ、お店の人もピンキリだから、ワインが好きで、よく知った店員に当たらないとまずいですよ。 「その方が、かえって難しいのじゃない?」 ……(ー_ー)!!
では、ワインをついで参りましょう。
赤ワインの代表品種
赤ワインの代表品種を紹介しましょう。 赤ワインは白と違って冷やしません。常温(室温)で飲めと言いますが、普通なら室温は20℃から25℃でしょう。
でもワインは14℃ぐらいがイイと思いますよ。 赤ワインは飲む温度が意外に大切です。 それでも飲み終わる頃には少し温まっちゃうんですがね。その頃はもう酔っ払ってるからイイか?
軽めのガメ種やサンジョヴェーゼなどはもう少し冷やした方がイイと思います。
さて、品種はカベルネとメルローとピノノワールだけ覚えときゃイイです。 また、カベルネとメルローとシラーをCMSといいますが、これだけ覚えておけばいいでしょう。簡単でしょ!
これぞワインの代表品種で、お店にある赤ワインの8割方をカバーしてますから!
カベルネ・ソーヴィニョン(Cabernet Sauvignon)

もっとも生産量が多いカベルネ・ソーヴィニョンは、フランスのボルドーを代表する品種で、 若いワインは、濃い紫で、タンニン(渋味)が効いていて、歯がギシギシするような渋みがあるけど、 古くなると、色もレンガ色(ガーネット色)になり、円やかで、ずっしりとしたパワーのあるワインになります。 頑固な英国紳士が好むパワーワイン といった印象のワインが出来上がります。
もともとボルドーの港は大西洋に面していて、イギリス向けに出荷するのに適した港です。 だからワインができないイギリスに向けて、顧客を開拓してきたのです。 だから当然、イギリス人好みのワインになっていった訳ですネ。
意外に、カベルネ・ソーヴィニョンだけで造ったワインは少なく、メルローなど他の品種を混ぜて醸造されているので、 生産量が多い割には、”赤ワインの羅針盤”となるような品種ではないと思います。
少しでもタンニンの渋みが和らぐようにと、普通メルローをブレンドしていますから。
メルロー(Merlot)

ソフトでまろやかな飲み口。滑らかで、カベルネ・ソーヴィニョンほど濃くはなく“標準になる赤ワイン”です。 なによりも渋味がカベルネ・ソーヴィニョンより少ないので、飲みやすいワインなんです。それにボディーがあるワインが できます。ちょっとワインを好きになると深みのあるメルローが好きになると思いますよ。
メルローは飲みやすいので、アメリカでは大ヒットしただけあってかなり一般的です。 メルロー100% のワインも多いので、入口ワインとしてモリパパご推奨でありま~す。
メルローも混ぜてあることが多いけど、70%以上メルローが入っていれば、しっかりメルローが楽しめます。
ピノ・ノワール(Pinot Noir)

ピノ・ノワールと発音せずに、ピノノワと言った方がフランス語みたいでイイですね。
これぞ“フランスのエレガント”であります。気品ある女性的なワインですね。 産地はブルゴーニュで、ワインの絶頂“ロマネ-コンティ(ROMANÉE-CONTI)”はこの品種であります。 明らかに軽め、繊細で華やかな赤ワインです。色も明るい赤紫色をしていて綺麗です。 そして、爽やかな酸味が特徴です。
かのナポレオンが愛したワインこそPinot Noirであります。 明るいルビーは、その色からもエレガントを感じます。
このピノノワは栽培が難しいらしく、どこでも育たないようです。
フランスではブルゴーニュ、アメリカではソノマと地域限定してるので、生産量が少ないのでしょう。 だから値段も高くなるのでしょうか? 安ければピノノワに限る!!
シラー(Syrah)

スパイシーでフルーティーなワインの代表選手であります。フランスではシラー(Syrah)といいますが、 オーストラリアではシラーズ(Syrahs)です。フランス生まれのオーストラリア育ち の品種なんです。
これぞフランス産とオーストラリア産やカルフォルニア産では微妙に味が違います。
サンジョヴェーゼ(Sangiovese)

イタリア生まれのイタリア育ち、陽気なイタリアを代表する品種です。 だから、この品種のことを吟味してはいけません。ワインより料理がおいしいかどうかが重要です。
コモかぶりのキャンティの代表品種 が Sangiovese であります。 気安く陽気に飲むには‘もってこい’です。 コクもないし深みもない、軽めのワインです。あまり講釈いわずに楽しんだ方が良いワインです。
ジンファンデル(Zinfandel)

原産地はクロアチアだそうですがアメリカのカルフォルニアでよく作られています。
カーボーイ のようなワイルドな赤ワインです。
スパイシーで野ブドウような風味をもってます。
白ワインの代表品種
白ワインは、赤ワインほどに性格がハッキリしていません。
ブドウの皮ごと醸造しないから個性も出にくくなるのです。 それでもリースリングなどのように香りでハッキリ分かるようなブドウもあります。 モリパパは辛口(Brute)がお好みです。
シャルドネ(Chardonnay)

白ワインの最初の入り口は、何と言ってもChardonnayでしょう。
殆どの辛口ワインはChardonnayだと思っていいでしょう。すっきり透明感のある味わいです。 良く冷やしたChardonnayは、料理の引き立て役になります。 でも余りに辛口だと、ちょっと損したような気になるほどです。
いい感じになると、黄金色になり、パイナップル臭が感じられるワインになります。
白ワインの王者です。
ソーヴィニオン・ブラン(Sauvignon Blanc)

すっきりしてますが、風味がる白ワインです。Chardonnayよりサッパリしたワインです。
リースリング(Riesling)

Rieslingといえばドイツです。 独特の香りがあって、人好き好きですが、この香りと甘さはなかなか強烈です。
モリパパは、Rieslingを買うならフランスのアルザスに限ると思っています。アルザスのRieslingは甘くなんです。
軽口で、気軽に飲む食前酒に使うのにイイと思ってます。シャンパンじゃなくてRieslingでもイイと思ってます。
ヴァイス・ブルグンダー(Weiss-Burgunder)

ホントの名前は、Pino Biancoと言うのですが、ドイツで最近多く栽培され、出まわっていますので 敢えてWeiss-Burgunderとしました。
ドイツ語で、Burgunderとはブルゴーニュのことです。つまりブルゴーニュ白であります。 モリパパはクセのないWeiss-Burgunderの方が好きです。
甲州
世界的にはマイナーなワインですが、日本だからブドウの品種リストに加えなくてはなりません。 最近、甲州に拘ったワインを作る所が出てきて、美味しくなりました。
天ぷら、刺身、懐石料理に相性がイイと言われています。
やはりフランスワイン
1:赤と白の違い | 人を男女に区別するように、赤と白。ロゼは赤の一種 |
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2:ブドウの品種 | 料理で言えば食材で、代表品種は数個 |
3:国別ワイン | 同じ品種でも国によって風味が違う |
4:ボトルの形 | ボトルの形は、意外と中身を保証する |
5:ラベルの見方 | ラベルはワインの履歴書(フランス語を学ぼう!) |
同じピノ・ノワールでも、フランスのボーヌ地方のワインと、カルフォルニアのソノマ地方のワインとでは、 ハッキリ違いがあるのです。同じような値段なのに、フランスのボーヌの方が勝ちです。
ブドウの品種は同じで、醸造の方法も大きく違う訳でもないのに、モリパパのようなワイン音痴でも 分かっちゃうんです。
他の品種でも、フランスワインが勝ちです。フランスには匂いがあるんでしょうか?
イタリアワインも歴史は古く、ローマにまで遡るのに何故か洗練されていません。 アメリカのナパバレーのワインも何処か新世界の雰囲気があって、薄っぺらい感じがします。 ドイツも有名なフランケン・ワインなどがありますが、馥郁(フクイク)としたものがなく清潔で単調です。
ボトルの形
1:赤と白の違い | 人を男女に区別するように、赤と白。ロゼは赤の一種 |
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2:ブドウの品種 | 料理で言えば食材で、代表品種は数個 |
3:国別ワイン | 同じ品種でも国によって風味が違う |
4:ボトルの形 | ボトルの形は、意外と中身を保証する |
5:ラベルの見方 | ラベルはワインの履歴書(フランス語を学ぼう!) |
ボトルの形は、登録商標みたいなもんで、一目でどこの産地か分かるようにしています。
一般の解説書はそこまでしか書いてありませんが、実はもっと重要な秘密があるのです。
「へー、興味あるなー。その秘密を教えて!!」
高価な物には安物のビンを使わないことぐらい誰でもお分かりでしょ。香水などはかなり高いビンを使ってます。 中身が高価であれば、そのビンも相応な物が使えます。
従って、ワインのビンの形が高価な物ほど中身も高価であります。 ワインボトルの底には何故か凹んだ“へそ”があります。この“へそ”の凹みが深いビンほど高いのです。 だからワインのバーゲンで、お値打ち品を見分けるには、この“へそ”の深さを見てみることです。
因みに、高級ワインが納められているワインセラーに立ち入って、ボトルの“へそ”を見てみてください。 “へそ”が浅いボトルがほとんどありません。 ただ例外があって、ドイツ・ワインはそもそも“へそ”がありませんから、この方法は使えません。
ラベルの見方
1:赤と白の違い | 人を男女に区別するように、赤と白。ロゼは赤の一種 |
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2:ブドウの品種 | 料理で言えば食材で、代表品種は数個 |
3:国別ワイン | 同じ品種でも国によって風味が違う |
4:ボトルの形 | ボトルの形は、意外と中身を保証する |
5:ラベルの見方 | ラベルはワインの履歴書(フランス語を学ぼう!) |
これは日本人にとって、厄介です。生産者はラベルにワインの情報をシッカリ書いてあります。
「ローマ時代のエチケット(étiquette)と、同じだとということね。」
当たり前だけど、フランス・ワインの場合はフランス語で、ドイツ・ワインの場合はドイツ語で書いてありますから、 多少語学力がないと、意味も正しい発音もできません。それに固有名詞が多いので、覚えるしかありません。
是非ちょっと努力してフランス語とドイツ語でラベルが読めるほどに、勉強してみてください。
(興味あれば、たいしたことはないから!)
注意事項
ワインは酒ですから「人が酒を飲み、酒が酒を飲み、酒が人を飲む」ことになる訳です。
どんな酒でも飲み過ぎりゃ、良くないのは当たり前のことであります。 酒が酒を飲みだしたところで、止めるのが紳士的な飲み方です。 紳士的な飲み方が、かく言うモリパパの目標です。
「やっぱりね~。目標ということは、なかなか難しいと言うことなんだ。」
ワインとか酢は、体内の入るとアルカリ性になるというのですから、 ほかのお酒より体にイイと思います。
美味い ワインを上手く 飲みましょう。