アメリカの黄金時代、パックス・アメリカーナは終焉を迎えた。
トランプはトリックスター即ち、詐欺師、ペテン師、神話や伝承など社会的道徳、秩序を乱す役割を担うべく登場しました。
権威や権力を風刺したり、冷笑したり、狡知や策略的で人を惑わすキャラクターを持つのが特徴なのであります。
米国では政権が交代すると4000人以上の政治任命職が入れ替わるのですが、うち上院での承認が必要なポストが約600あるそうです。
現時点で、承認済みが約1割。指名すらされていないポストが8割もあります。これは異常事態です。
更に、迷走するのはホワイトハウスの中枢人事であります。更迭退任が後を絶ちません。
- 国家安全保障問題担当:マクマスター補佐官
- 退役軍人長官:デービッド・シュルキン
- 米大統領補佐官(国家安全保障担当):マイケル・フリン
- 第7代連邦捜査局(FBI)長官:ジェームズ・コミー
- 広報部長:マイク・ダブキ
- 大統領報道官:ショーン・スパイサー
- 大統領首席補佐官:ラインス・プリーバス
- 大統領報道官:アンソニー・スカラムッチ
- 首席ストラテジスト兼大統領上級顧問:スティーブ・バノン
- 国務長官:ティラーソン
- 大統領補佐官(国家安全保障問題担当):マクマスター
もう枚挙に暇がありません。このトランプ政権は無茶苦茶です。これで政権がまともに運営されるとはとても思えません。
アメリカの繁栄から取り残された白人たちのヒルビリー・エレジーからトランプ現象が起きたと言われていますが、自らの国に責任を持つどころか、政権の担い手とはなりません。
ヒルビリー・エレジーの哀歌は、苦悩するアメリカの姿を代表しています。ラストベルト地帯が、トランプというトリックスターを産み、アメリカは自ら不幸な歴史をたどり始めました。
いま、中国を相手に貿易戦争に向かっています。この貿易戦争の仕掛けの本質はアメリカの内政問題です。
ロシアゲート疑惑を回避するために仕掛けた外交問題です。
トランプは公然と捜査の信頼性を疑問視し、モラー特別検察官や連邦捜査(FBI)との対決姿勢を強めています。
政権維持を図る常套手段で、最も有効な方法は戦争です。
こうしてアメリカ国民の目を欺くために貿易戦争を仕掛けたのです。それにしてもスーパー301条を発動するとは、前代未聞です。ロシアゲート疑惑の深刻さが窺えます。
アメリカによる貿易戦争は深刻なものになるでしょう。中国の経済規模も大きくなりましたが、太刀打ちできる相手ではありません。この貿易戦争がどこへ飛び火するのか心配です。
ヒルビリー・エレジーのように病んでいるアメリカは、まず世界の警察官から身を引き、次に世界経済の主役から身を引き始めました。そして我々は、パックス・アメリカーナの終焉を具に見ることになりそうです。