2024年10月の衆院選に公明党は大敗を喫した。何と32議席から24議席になり、小選挙区は11名中僅か4名で、石井啓一代表も落選し、そして常勝の大阪で全敗した。
翌日の公明新聞に「捲土重来」との難しい言葉を使って再起を訴えていた。
捲土重来とは本来の意味を調べてみると、
「捲土」とは巻土と同じ。地面を巻き上げるほどの勢い。「重来」は、再来。
項羽が漢の大群に敗れ、自刃して果てた烏江の古戦場を訪れた唐の詩人・杜牧が、「項羽が恥を忍んで江東に逃れていれば、そこには優秀な青年がそろっていたので、再起し、地面を巻き上げるような大勢力で、再び中原(中国の中心地)に返り咲くことができたでかもしれない」と詠んだ故事からきたものです。
一度敗れた者が、勢いを盛り返して再び攻めてくることに使われる。しかし歴史を偲んで詠んだ詩で、この通り返り咲いた歴史ではない。それが「捲土重来」です。
今回の惜敗は「国破れて山河あり」とでも言ったらいい有り様だ。ここで当首脳は、深くその理由を考えてもらいたい。10年、20年と時代が変わらない訳がない。よく耳と目を研ぎ澄ませて反省してもらいたい。時代は変わっていることを!
すべてに油断があったし馴れがあった。そして自民は長期政権のぬるま湯に浸かって、金にまつわる感覚が党内倫理を優先した。自民の金銭感覚に、庶民は鉄槌を下した。
自ら招いた自民は仕方ないものの公明党も与党として一括りとなってしまった。謂わばトバッチリ選挙ともいえる結果だった。
地元、北海道10区の公明・稲津も落選した。10区は自公連立の象徴区で、地元地盤だった自民の渡邊孝一が比例区に回った。今回、渡辺が比例順位の下位に処遇されたことで公明の自前選挙を傍観した。連立の選挙の厳しさはこんなところにもある。
石井代表も埼玉14区で今回始めて小選挙区選に挑んだ。これまで比例区で当選10回を重ねたが、小選挙区の厳しさを知った恰好だ。小選挙区を甘く見てたのじゃないか?
いずれにしても今回の選挙も「裏金」という分かりやすい言葉が流行し、政策や主張で勝敗が決まったわけではない。
庶民からお灸を据えられた負けた自民は猛省し、勝った立憲民主も奢ってはならない。この選挙結果を履き違えてはいけない。
本来政治は政策とその実行が、命であることを忘れてはならない。
そして惰性や自己満足に厳しい態度で律していかなければ、今回のような結果を招くことを教訓として欲しい。