胃瘻という延命治療について

この記事は3年以上前に投稿された古いものです。

実は、三大延命治療と言うのがあるそうで、これは最期を迎える患者への日常的な医療行為でもあるんです。

  • 栄養の延命(胃瘻いろうなど)
  • 呼吸の延命(人工呼吸器)
  • 腎不全の延命(人工透析)

これは、医師が「不作為の殺人」を避けるための医療行為です。特に胃瘻いろうは、この10年間で急速に普及してしまったようです。
もとは小児患者ののため1979年アメリカで開発された、PEG(経皮内視鏡的胃瘻増設術)だったのですが、いまでは延命治療に当然のごとく施術されるようになってしまいました。

「平穏死」を望む場合について、こんな記述を読んだことがあります。

栄養を遮断して飢餓状態になると、脳内にモルヒネ様物質が分泌されるので、幸福感が味わえるようです。
また脱水状態になると、血液が濃くなり意識レベルが下がるので、まどろんだ状態になります。
だから、人間には死の間際に「苦しみを防ぐしくみ」が生まれつき備わっているとしか思えません。

胃ろうは元々子どもの食道狭窄のために考案されたものです。
適用範囲が広がり、今や年寄りの延命措置になりました。
90歳近くて、意識がないのに一日3度、胃ろうから栄養を送られ、体が動かないために次第に骨が変な形に固まってしまう。
本来の医療目的は、回復とQOL(生活の質)の改善ですが、高齢者に対しての終末医療は、無為に本人を苦しめるだけになってしまいます。

困ったことに、日本では、リビング・ウイル(living will)いわゆる自分の終末期への希望は法的に認められていません。

終末期を迎えるということを受け入れるのは、決して容易なことではないのです。一度意思を固めた後も意思が変わったら、いつでも変更可能であることは重要なのです。
そのため「家族の意向の確認」によって勧められています。
「家族の意思の確認」ではなく「患者当人ならどのように考えるかを家族に推察してもらう」こととされているのです。

少し、古い統計ですが、ケアネットの調査によると、医師に自分自身の延命治療についての考え方を尋ねたところ、「延命治療は控えてほしい」が70.8%と断トツ。以下、「家族の判断に任せたい」が22.3%、「医師の判断に任せたい」が3.4%、「分からない」が1.7%で、「積極的治療をしてほしい」はわずか1.3%でした。(ITmedia ビジネスオンライン > 医師の7割が「延命治療、自分なら控えてほしい」より引用)

医療現場では、ケアCareよりキュアCureが優先されます。だから救急で病院に運び込まれたとき、患者の蘇生が何より最優先され、まず延命治療が施されます。

救急で病院に入院した友人が、胃瘻を施術されました。幸いに、その後食事ができるようになり退院されました。
でもこんなケースは珍しいようです。通常、胃瘻でも充分な栄養が採れず、体力が落ち、最期まで胃瘻のまま過ごさなくてはならないケースが多いのです。

さて、自分ならどうしますか? 延命治療を避けるには、自分自身で終末期の希望を書いておく必要があるかもしれません。少なくとも家族や親しい人に、たのんでおく必要があると思います。

参考までに、Living Will 見本 を掲載しておきます。

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