未来からの使者をみつめて

この記事は3年以上前に投稿された古いものです。

先日、孫が初めて家にやって来た。生まれて2ヶ月の幼子です。オフクロとは初対面です。年の差なんと90才です。「この子どんな時代を生きるんだろうね」と顔を見合わせてしまった。

孫は可愛いでしょう?とよく言われるが、赤ちゃんはみな可愛いものです。
モリパパ祖父オフクロ曾祖母はともに、未来からの使者(孫)の顔を、まるで水族館で珍しい魚をのぞき込むように、ジッと見つめてしまいました。

未来からの使者を見つめながら「この子はどんな世界を生きてくのかね?想像もつかないね」とつぶやいてしまった。

先の20世紀を振り返ってみれば、人類史上、大変な激動期にありました。否、ここ半世紀をみても大変な激動の時代でありました。

飛行機で毎日、何万人もの人が移動し、交流、往来しています。化石燃料を大量消費し、地球温暖化を招いてしまいました。既に異常気候や大災害を招いています。
電子、IT技術は目覚ましい発展を遂げ、情報は瞬時に世界を駆け巡り、今や電子技術やInternet がない世界は考えられません。地球人口は増え続け、反面先進国は少子高齢化に悩んでいます。ヒトゲノムが解読され、自在にゲノムを操れるようになりました。iPS細胞の技術革新は、医療にも大変革を起こすことでしょう。そして悪魔の核兵器が世界に1万7千発もあります。この核兵器で地球を何百回も破壊できるのです。地球は破滅と隣り合わせです。

この半世紀での変化は、かつて人類が経験したことがない大変化でした。そしてこれからも、人類が築き上げてきた文化や遺産さえも脅かす、計り知れないことが起こるかも知れないのです。

人類が誕生して、獲得した文化的装置である家族や家庭、そして人としての生き方も、大きく変わるかもしれません。

ゴリラの研究では、第一人者の山極寿一(京大総長)は、著書「父という余分なもの」の中で面白いことを言っておられます。

母子と父子の親子関係の関係はまったく違うそうです。そして「サルに父親はいない」のだそうです。
母子は、出産、授乳の中で、生物学的に判然とした親子のきずなが出来ますが、父子の親子関係は社会学的な関係で、この関係は文化的な装置のなかから、生まれたものだそうです。
父親像はサルには無く、ヒトになって始めて父親像が出来たようであります。山極寿一さんはこのように書いてます。

社会学的父親の創出は、自然の繋がりによって編成されていた集団を人類が文化的な操作によって作り直した出発点だった。

その父親が、家族が、いま崩壊の危機にさらされていると言われる。それは、家族の連帯を通した社会の在り方が現代の要請に合わなくなったということであり、人類の文化そのものが質的な変換を迫られていることを意味している。

我々がいま生きている現代は、人類史上、文化的な装置が変化してることを見逃してはなりません。見過ごしてはいけません。

たとえば、待機児童の問題は、夫婦共働きが当たり前になって、生じた問題だと表面的な見方をしてはいけません。
女性も個人として社会的活躍の場を持つことが、当然とされる時代になってきている。そういった本質を観るべきです。

社会的活動の先鋒は、都市に集中します。都会での女性は家庭の中に閉じこもりません。また閉じ込めてもいけません。
女性が、人間らしく生き、活躍する権利が求められています。
ジェンダー・ギャップが指摘される問題も、そこにあります。HeForSheが言われるのもその故なのです。

家族の問題は、人類史の上で、大変革期を迎えているようです。それは、これから半世紀にかかっているのかもしれません。想像もできない変化が待っているような気がします。

赤ちゃんはいつも、どの国でも、本当に可愛いものです。
この可愛いさは、どうしようもありませんね。

親と違って、当事者にはなれないので、その分、お気楽に孫を可愛がってしまうかもしれません。

未来からの使者さん!どこから来られたか知りませんが、ようこそ!

新時代はあなたの世界です。よろしく。

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