移住するなら恵庭だと思ったのは2015年12月のこと。あれから足掛け7年、母の介護も突然終わって、その後の整理も終わって、愈々かつて夢見た北海道恵庭への移住を決めました。
「第三の人生」は場面を替え、第四楽章に入ったような気分です。あと2年で後期高齢者となります。厚労省の余命計算では、あと余命14年だそうです。此処と決めたセンターヒルズ恵み野(サ高住)へ引越します。ちょっと早めの「サ高住」暮らしです。
我家の家風でしょうか?転居や移住に抵抗感が大きくありません。身内から反対の声はなく「どうぞ御勝手にしてください」といた感じであります。
私の父は38年間も岐阜県で教育関係の仕事に就いていました。
退官後、住み慣れた岐阜の家をあっさり売却して、静岡県掛川に新居を建てて引越しました。父70才のときでした。
父が亡くなって5年目、今度は母が、まだ新らしい掛川の家を売却し、妹家族が住むニューカレドニアへ移住。母75才の時でした。
自分もその父や母と同じように、住み慣れた駒場も「終の棲家」とはなりませんでした。心機一転、北海道恵庭へ移住します。
実は、北海道恵庭に家を買おうか迷いました。しかし北海道の家を継ぐ者もいないので、賃貸マンションを検討しました。ところが契約の段階で「独居老人」扱いに、吾を悟り断念したのです。少々回り道をして辿り着いた元の「サ高住」への入居でした。「サ高住」は高齢者単身が居住できる賃貸住宅で、2011年に創設された新制度です。お一人様向けの新しい住まい方なのです。
さて、新天地での暮らしに、想いを巡らしてみました。体力はがくりと落ち相応の暮らし方をする必要があると思うのです。
詩人:暁方ミセイが書いた面白い記事を見つけました。
最近、これからの人生では、心地よいものを集め、心地よい日々を送ることに心血を注ごうとなんとなく思う。なんでも楽な道を選ぶ、といのとはちょっと違う。(中略)
幸い、体力が数年前に比べてがくっと落ちてきた。無駄なことをする体力がどんどんなくなってきた。おかげで怒りや不満を感じても、自分が何をするか以外は考えられなくなってきた。
老いとは救いだ……と生意気にもちょっと思う。
自分もこんな気分が解る歳になってきました。最近トリカメ道楽がこうじてきました。暁方ミセイが云う「好きなことに心血を注ぐ」ことに一寸似てるでしょうか。
「生活の中にアートが顔を覗のぞかせると、人生が少し華やぐ」と劇作家:横山拓也が言っていました。少し華やぐような暮らしをしたい。小さなアトリエを構えた気分で暮らししたい。
これがセンターヒルズ恵庭(サ高住)での暮らし方への想いです。
20年前に妻を亡くし男手ひとりで二人の息子を成人させました。その息子たちも結婚し子供ができました。そして私自身は母の介護も終えました。すべてやり切った気持ちになっています。
だが、全てが整理ついた様で、一抹の寂しい気持ちになります。だから新しい生活をしようとの思い至ったのかも知れません。
目黒区駒場に21年間住んで、多くの方々にお世話になりました。このご恩は決して忘れることはできません。でもここで心機一転、北海道で新たな生活をすることを決意しました。
都会の喧騒から離れ「人間らしい暮らし」のため憧れの北海道へ移住します。
アトリエをもった気持ちで、好きなことに心血を注ぐような生活をしようと思います。これが私の最後のわがままであります。
さて、引越し荷物を整理しましよう。