環境DNA

この記事は3年以上前に投稿された古いものです。

環境DNAって何だ?聞き慣れない分野です。生体の設計図であるDNAの構造解明を目指すゲノムサイエンスは、応用分野に入ってきたようです。

今ではヒトのDNA解析はもちろん、あらゆる生物のDNAが解析され始めています。
DNAを、数時間で100万倍に増幅する PCR (Polymerase Chain Reaction)法という技術があるそうで、ほんの僅かなDNAがあれば、増幅させて、同定も半定量もできてしまいます。
これが環境DNAという分野を発展させてきています。

scienceZero

NHK Eテレの番組、サイエンス ZEROで環境DNAが紹介されていました。

川や湖沼の水を調べれば、そこにどんな生物がどの位生息しているか分かってしまうのだそうです。詳しくはNHKかぶんブログにも載っていますので、興味ある方は覗いてみてください。

例えば、オオサンショウウオが生息しているかどうか、川の水を少量採取して、この水の中のDNAを調べれば、生息しているかどうか判ってしまいます。わざわざオオサンショウウオを観察したり捕獲しなくて済みます。
オオサンショウウオが出す、僅かな皮膚や排泄物からのDNAを、水から検出するのだそうです。

こうなってくると、自然界をDNAで観る新たな分野ができます。
おそらく人類の歴史をDNAで調べる分野もできるのではないでしょうか?

20世紀は量子力学や原子力などが世界を一変させました。21世紀は生命科学、ゲノムサイエンスが世界を一変させようとしています。
DNA二重らせん構造の発見(1953年)から、ヒトゲノム全解読(2003年)まで僅か50年。遺伝子工学からゲノムサイエンスへと、発見や興奮の時代から、応用や実用の時代が到来したようです。

疾病、食糧、人口、環境、エネルギーなどの諸問題の解決に、
ゲノムサイエンスが貢献する出番が来たようです。

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