大英博物館展で最古の紙幣を見てきました

この記事は3年以上前に投稿された古いものです。

大英博物館展へ行ってきました。 ”モノが語る世界史”と題して、大英博物館から100点に及ぶ出展がありました。

ロゼッタ・ストーン(Rosetta Stone)のレプリカ

大英博物館と言えば、ロゼッタ・ストーン(Rosetta Stone)ですが、今回の展示品はレプリカでした。
その大きさを実感するなら、これで十分です。

 

実は興味をそそる、お目当てのモノがあって、展示会に行ったのです。それは最古の紙幣と言われる明の紙幣です(1375~1425年)。日本では足利幕府の頃になるでしょうか?

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約600年前のこの紙幣が世界で最も古いというのですから、紙幣の歴史は意外に浅いのです。
A4ほどの大きさです。これこそ人類が初めての信用を形にした紙幣なんです。これは飛銭ひせんと呼ばれていたそうで、金・銀・銅で造られた古銭と違い、そのモノ自体には価値がありません。
大明寶鈔だいみんほうしょうとして明が信用を与え、偽造を防止して、通貨として流通させたそうです。そして重要なのは紙幣が金・銀・銅の硬貨に兌換だかんできることを保証していました。
ところが、明の政府自体が、この紙幣の大量発行の誘惑に勝てなかったのです。故にこの紙幣は発行15年後に紙幣の価値は急落し、無価値となってそうです。飛銭ひせんならぬ卑賎ひせんとなってしまいました。

ドルもニクソンショック(1971年8月15日)までは、金本位制をっていました。金ドル交換停止を受けて、1973年主要国のほぼ全てが変動相場制へ移行することになりました。

そして、通貨では有りませんが、各国の国債も同様に信用度に応じて金利は変動し、通貨と同じように売買・流通しています。株券も債権も信用で動いています。全て相対的で信用の価値だから、信用が無くなったらパニックになってしまいます。

今、政府は1000兆円を超える国債を大量発行し、日銀は今年、80兆円の国債を買い込んでいます。殆ど国家予算に近いおカネを増刷しているのと同じことです。このまま何事も起こらない方が不思議だと心配しているのは、モリパパだけじゃないと思うのですが。

何時の世も、紙幣の大量発行の誘惑に勝てないんです。剣呑けんのんな異次元の金融緩和は何処へ行くんでしょうか?

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