統一ドイツの初代大統領で、ナチス・ドイツの過去と正面から向き合うことを説いた同国のリヒャルト・フォン・ワイツゼッカー氏が、去る2015/1/31、死去した。94歳だった。
天声人語(2015/2/5)では、
ドイツの戦後の歩みを一身に具現するような政治家だった。「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる」という戦後40年の演説は、あまりに有名だ。統一を挟んで10年にわたって大統領を務めたワイツゼッカー氏が亡くなった。
「荒れ野の40年」と邦訳された1985年の演説は、ドイツが降伏した5月8日に国会で行われた。ナチスの過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはいかない、われわれ全員が過去を引き受けなければならない――と訴えた
名字の言(2015/2/6)にも、
宗教に名を借りたテロが世界を震撼させるさなか、ドイツ・ヴァイツゼッカー元大統領の死去の報に接した
“過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる”との言葉で知られ、邦訳の著書や評伝も数多い氏。池田SGI会長と会見し、ビンゲン市のビラ・ザクセン総合文化センターを訪れるなど、SGIとも交流があった
氏はキリスト教民主同盟で活動し、同党の基本綱領づくりを担う。発言は常に、自身の宗教的信念を基盤とし、次々と起こる“現実”に振り回されやすい政治に、「言葉の力」で理想を吹き込んだ。「精神に対して政治を、政治に対して精神を開き、それぞれを有効に働かせることに貢献したい」(永井清彦訳『歴史の終りか幕あけか』岩波書店)と
氏の真骨頂は、理念と現実の違いを自覚しつつ、現実に埋没もせず、理念の殻に閉じこもりもせず、理念と現実の間に橋を架け続けたことにある。その発言と行動は、宗教的世界観を振り回す独善に対しても、“宗教は政治に関わるな”という浅薄な反応に対しても、ともに鋭い警鐘となってきた
「SGIの運動が成功され、発展されることが、必ずや世界平和への貢献となることを信じます」と語った元大統領。その期待に応える誓いをもって哀悼の言葉に代えたい。
ワイツゼッカー氏ほどの人物が日本に居ないのか?未だに靖国参拝で、問題を起こすような自民党政府高官に猛省を促したい。
特に安倍首相の終戦記念日に予定されている「談話」即ち、日本政府の公式見解について注目が集まっている。
かつて中国が日本に対する戦後賠償の請求権放棄をした英断に、いまこそ感謝する心情がどうして出てこないのか?
安倍首相の言動発言をみていると、誰しも戦前の軍部のDNAを受け継いでいるようにしか見えない。
過去に目を閉ざす安倍首相は、結局のところ現在にも盲目なんだ