英国EU離脱国民投票6月23日に実施され、大方の予想を裏切って、離脱(Leave)が勝って、残留(Remain)が負けました。
これは予想に反し、まさかの出来事だったんです。開票結果が出たのは、ヨーロッパは早朝6時、米国は真夜中のことでした。
そもそもキャメロンが、党内結束を狙っておこなった国民投票(公約)が裏目に出てしまったのです。
イートン校、オックスフォード大学を、一級優等学位で卒業したエリートです。内部対立の解を外に求めたこと、その無責任なエリートが批判された悲劇でもあります。
世界中の金融市場では、残留優勢との見方からポンド安、ユーロ安に、冷静さを取り戻しかけていただけにショックとなった。
あたかもリーマンショック並の金融混乱が起きてしまいました。
英国債が格下げ → 英銀行の格下げ → 英銀行発行の債券下落、
この金額は約70兆円と推計されているそうです。金融センター・シティーへの不安心理が、世界市場に広がってしまいました。
だが、リーマンショックと違うのは、現物の不良債権が出回っている訳ではありません。不安心理ですから、時間をかければ安定するでしょう。
今回の問題は、金融問題ではなく、民主主義の問題なんです。
それも議会制民主主義の母なるイギリスで起きたが故に、ことは重大です。
コピーキャット(人のまねをする人)が出てくる可能性が心配されています。
イタリア、フィンランド、オランダ、ハンガリーは国民投票を控えています。また、カタルーニャ、スコットランド、フランス国民戦線など独立運動の火種を抱えています。
問題は、ギリシャを発端にしたユーロ危機、ヨーロッパ内の難民問題、パリやベルギーで起きたテロなど、更には右派ポピュリズム、過激左派など、世界は病みはじめて来ているのでしょうか?
これまで米国が主導してきた新自由主義(Neo-Liberalism)とグローバリズム(Globalism)に対して、批判が噴出してきています。
まさにグローバリズムと民主主義の赤字、欧州連合(EU)の決定機関に対する批判が、このような形で現れたのです。この潮流は、英国一国に留まらない問題なのです。
民主主義(Democracy)と資本主義(Capitalism)は表裏一体です。
民主主義の基本である国家の自決権が問われ始めているのです。