交流以上、定着未満の「関係人口」

この記事は3年以上前に投稿された古いものです。

「地域おこし」だの「地方移住」だのと数年前から一種ブームだった。そのブームが過ぎたいま、観光以上・移住未満といった「関係人口」が注目されています。

そもそも問題の起点は「限界集落」という言葉で大野晃 高知大学名誉教授 が「集落を守る目的」使ったものでした。
今では、限界集落といったこの言葉さえ風化し始めてきたように見えます。

また東京でも高齢化問題は注目を浴び、日本全体の将来像を左右する問題とされて、日本創生会議が創出されました。
しかしこれも休止状態となっています。

少子高齢化問題とともに「地方創生」が浮いては消えるテーマとなって、日本は「下り坂をそろそろと下る」時代を迎えているようです。著者:平田オリザは ”里山資本主義の文化版”だと言ってます。そんななかで、いろんな模索が続いているのですが…

日本版CCRC (Continuing Care Retirement Community)として推進されてきた「生涯活躍のまち」も足踏み状態が続いていてるようです。
そもそも自己責任の意識が強い米国だからこそ、CCRCといった考え方が賛同されてきたのでしょう。CCRCの二番煎じが、この日本で上手く行くかどうか、疑問視されています。

以前この稿で、現代的な隠居のススメなどと書きました。その考え方の背景は「老後は自分自身でなんとかしなければならない」といった意識があったからです。この日本では、自己責任の意識がストレートにCCRCへ繋がりはしません。家長制は無くなっても、身内や親子の関係が意外に濃密だからなのでしょう。

最近「関係人口」といた考え方が注目され始めているようです。
交流以上、定着未満の人を「関係人口」と言うそうで、ハードルの高い移住・定住の壁を下げる取組みだといってます。

2016年ソトコトから始まったらしい。交流人口と定住人口の間に眠る「関係人口」を掘り起こすことが、地域活性化につながるというものらしいのです。

ふるさと納税、地域特産のお取り寄せ、地域ファンなど移住定住を強制しない「関係人口」の創出こそが、地方創生の選択肢だと言ってます。(関係人口による地方創生:みずほ総合研究所)
これは
地方創生が思惑通り、進んでいないことの裏付けでもあるのですが、新しい考え方だと言えます。


さて今年も恵庭市役所から移住相談会の案内が送られて来ました。

昨年の夏、恵庭を訪問しました。この稿で「やって来ました北海道」で書いた通り、恵庭市の担当者から「ご縁があれば引っ越して来てください。またお会いしましょう」と別れの挨拶。日本語にはうまい表現があるものです。

移住予備軍として毎回移住相談会の案内が来るようになりました。いまでは恵庭市の「関係人口」の一人となっています。

現在、オフクロと一緒にお気楽な老後を送ってますが、いまだに移住できる環境になりません。つまり「お一人様」ほどにお気楽ではないのです。
恵庭への移住を考えてから三年越し、果たして恵庭に移住できるでしょうか?分かりません。しかし「関係人口」として段階を登ることはできそうです。

この先「関係人口」として、どんな段階にになるのでしょうか?恵庭市と東京での二地域居住も可能性のひとつかも知れません。


<2019.9.7追記>

移住相談会へ行ってきました。昨年お会いした恵庭市担当の方にご挨拶してきました。北海道胆振東部地震のことや恵庭市分譲地が完売したことなど、取り留めのない話題をしたあとで、別れ際「また来年」とご挨拶を交わしてきました。

 

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