知る人ぞ知る恵庭事件

S36年(1962)恵庭で起きた刑事事件でした。通信線切断という事件は、自衛隊が憲法違反かどうかを問う事件へと発展しました。その事件から半世紀以上も経ち、もう過去のこととなりました。

酪農家の野崎兄弟が、陸上自衛隊島松演習場の電話通信線を切断したことに端を発した事件です。切り取った電線は僅か20㌢足らずのものでした。

自衛隊法違反に問われましたがそもそも自衛隊が、日本国憲法第9条に照らして合憲か違憲かが争点となり、何と400名近い弁護団が結成され、3年半40回もの公判が行われた刑事事件となりました。

ところが…

S42年(1967)3/29、第1審の札幌地方裁判所で下った判決は被告人は無罪となりました。無罪である以上憲法判断を行う必要はなく、また行うべきでものではないとされました。
謂わば「肩すかし判決」と謂われる有名な事件なのであります。

砂川事件が、その後の安保闘争や全共闘など学生運動のさきがけとなったのですが、恵庭事件は全く違い議論に終止符を打ちました。

恵庭市は千歳市と同じく自衛隊員の方が多く、両市とも自衛隊と共存共栄しながら、発展してきた町です。
かつて恵庭事件があったことなど、何処にも感じない長閑のどかな町です。いまでは自衛隊が合憲か違憲か問う人も少くなりました。

時には、自衛隊駐屯地が開放されて記念行事も行われるようです。

また、北海道自衛隊の北部音楽隊が恵庭市民会館で演奏会が開かれています。

昨年の夏、恵庭市を訪れたときに、遠くから大勢の人の掛け声が聞こえてきました。
「何かあったの?中学か高校の体育?」と尋ねたら、近くの自衛隊の駐屯地から聞こえる隊員訓練の掛け声だということでした。余りにも静かな恵庭。そして余りにも平穏な日本の風景でした。

戦争が忘れ去られ、無用の用としての自衛隊であって欲しい。
恵庭事件は、静かで平和な日本を表象するかのように思えます。こんな事件があったことを、今はだれも忘れてしまったように…

 

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