Origin Country

コーヒーの原産地(Origin Country)を、国名毎に記述していきます。
なぜ国ごとに書くのか? それは国によってコーヒーの特徴があるのではなく、国毎に農政や歴史が違うからです。
コーヒーをきっかけに、あまり縁のないお国柄を勉強するのも楽しいですよ。
 
中米のコーヒー栽培


メキシコ
Mexico

生産高では世界第4位で38万トン強生産しています。
南部のグアテマラとの国境に接するチアパス州で栽培されています。
サパティスタ民族解放運動の本拠地で、日常的に軍が配置されている地域です。
一般的に、際立った酸味があるがコクに欠ける傾向があり、特に有名な農園もありません。
格付けは高度だけで、

  • AL(Altura)1300m以上
  • PL(Prima Lavado)900~13000m
  • BL(Buen Lavado)750~900m
AL

チョコレートのビスケットの香りを初めに感じ、加えてカラメル、ドライフルーツなどのような香りが調和する。

酸味は豊かだが、まろやかで長く続く。その味わいに苦味はとけ込んで感じる。渋味のある旨みすら感じる味わい。


グアテマラ
Guatemala
1821年スペインから独立宣言したものの内紛。1853年コーヒー栽培がマヤ・インディオの労働搾取で始まった。今も支配層によってPlantationが経営されている。
世界第8位約31万トンの生産国で、昔から比較的品質の良いコーヒーとされてきた。
主にアンティグア地域で栽培されている。
アンティグアの涙」と言われるように、
St.Sevastian農園など優秀な農園がある。
標高による格付けで、

  • SHB(Strictly Hard Bean)=1400m以上
  • HB(Hard Bean)=1200m~1400m
  • SH(Semi Hard Bean)=1050m~1200m
  • EPW(Extra Prime Washed)=900m~1050m
  • PW(Prime Washed)=750m~900m

また、Washedかどうか重要ですが、品種は混ぜまぜ有りだと思えます。

Antigua
よく熟したベリーのような果実香。
チョコレートのビスケット、ほんのりとカラメルのような香りが調和している。
まろやかな苦みがバランスのよさを感じさせるが、後半の味わいにかなり強い酸味を感じる。
はっきり感じ取れる苦味があり後味に残ってしまう加えて後味に酸味を感じる。



エルサルバドル
El Salvador

高地産で特徴のない品質であり、主にドイツへ輸出されてきた。10万人を超えるマヤ・インディオの土地を奪いコーヒー栽培をしたのは僅か14Familyだったという。
格付は標高によるもので、

  • SHG(Strictly High Grown)1200m~1500m
  • HB(Hard Groun)900~1200m
  • CS(Central Standard)450~900m
黒い果実の熟した香り。
パンのトースト、ビスケットの香りなどに加えて、ドライナッツも感じる。
苦味はやわらかでスムーズな口当たり。
しかし酸味はしっかりとフレッシュ感も感じながら、余韻まで長く続く。


ホンジュラス
Honduras

標高の高いところで栽培され、品質の良いコーヒーの割に価格が安いので、ブレンド用に使われてきた。激動するコロンビアの背景で暗躍する麻薬密売が関係していたともいわれる。
高度による格付けで、

  • SHG(Strictly High Grown)1200m以上
  • HG(High Grown)900~1200m
  • STD(Standard)600~900m
軽快で調和が取れた印象。ドライフルーツとビスケット香がバランスよく、ビターオレンジなどの香りが繊細さを 広がりある酸味と苦味のバランスがよく、全体的にまろやかな味わい。ほんのりと甘味さえ感じる。



ニカラグア
Nicaragua

1821年スペインから独立したが、その後長く内戦が続き、今だに識字率が60%程度で最貧国の一つです。
サンディニスタの悪政の後、PROODECOOPの共同運営がさかんで2500家族を45団体で支えたと言われています。
コーヒーについては最高の部類ではないが、
金属的な酸味で芳香性に優れている。
   



コスタリカ
Costa Rica

「中央アメリカのスイス」として、中米では例外的に民主的で安定した国。
近隣諸国の混沌と貧困とは違っている。
もともと先住民が少なく、スペイン植民地時代も、それ以降も血塗られた歴史ありません。
コーヒーとバナナの国で、経済状態も良好で白人94%という中米では珍しい国です。
最近では「環境保護先進国」として名高く、今安心して行ける国は中米ではここだけじゃないかと思います。
太平洋側で栽培されたものの方が質が良いとされ、Specialty Coffee時代に入って利益を上げてきました。
標高による格付けで、

  • SHG(Strictly High Grown)1200m~1600m
  • GHB(Good Hard Bean)1000~1200m
  • HB(Hard Bean)800~1000m
  • MHB(Medium Hard bean)500~800m
Bonita
熟したトロピカルフルーツやビスケット、ナッツ、ほどよいロースト香などが調和してとけ合っている。
酸味は強いがまろやかに感じるのは、苦味がやわらかだから。
余韻に植物的なフレッシュな印象も感じる。


パナマ
Panama
1903年コロンビアから分離独立。
1999年以降パナマ運河の統治権がUSAからPanamaに移り、大きな財産となっている。
USAの内政干渉で、独裁者ノリエガ将軍が排斥された歴史を持っている。
最近、新しくSpeciality Coffeeとして人気が高まって、農園が買収され一躍人気となった処が出てきました。
特に、PanamaのGeishaは高値を付け全く売り手市場となってしまった。
   
カリブ海のコーヒー栽培地


キューバ
Cuba
格付けは大きさ+欠点数で、
CM(Crystal Mountain)18/19+4,
ETL(Extra Turquino Lavado)18+12,
TL(Turquino Lavado) 17+19, AL(Altura)16+22, Montana15+24, Cumbure 14+29,
Serrano Superior 15/16+60,
Turquinoはキューバ東部にある山の名前だそうです。
ETL
ビターチョコレートを使ったビスケットのような香りに加え、黒砂糖のカラメル香が加わる。
まろやかな酸味にコクのある余韻の長い苦味が調和する。アフターフレーバーにもビターチョコレートの風味が。


ハイチ
Haïti
  柑橘類の砂糖漬けを含んだドライフルーツの香り。干したサツマイモ香、ほんのりカラメル香などが調和。 酸味はまろやかだがひろがりのある印象。苦味は心地よくビロードのような触感で溶け込んでいるように感じる。


ドミニカ
Dominicana
  上品でバランスがとれているような印象。
軽いビスケットのような香りとジンジャーブレッドの焼けた香りなどを感じる。
基本的にはすべてまとまりよく調和している。したがって軽やかな印象にも感じられ香り同様上品なタイプ。


ジャマイカ
Jamaica

カリブで唯一英語圏で、英連邦王国の一国とされています。元はスペイン領だったのですが、1655年イギリスが占領しました。

18世紀イギリスの「私掠許可状」の下、公認の海賊が集まってきました。

まさに海賊の島だった歴史を持っています。

Blue Mountainの祖先は、Martinique島から1728年移植されたTipicaです。

Wallenford Estateが有名で、1920年代このコーヒーを入手するのは本当に困難だったようです。
生産地は主にKingstone北東部の山岳地のBlue Mauntain地区です。
Coffee Industry Board(コーヒー産業公社)が定めるジャマイカコーヒーの規格基準があります。
先ず、コーヒー産業法に定めるBlue Mauntain Coffeeとはブルーマウンテン地区で生産されるコーヒーで、芳醇な香りと優れ、酸味、甘みを有し、こくがあって欠点のない味。外見は均一なブルーグリーン色を呈する。とあります。
Blue Mauntain #1,#2,#3とPeaberry,TriagePeaberryなどの厳しい規格があります。
更にブルーマウンテン地区以外の高地で取れる、Hight Mountain Supreme,Supreme Peaberry,

Jamaica Prime,Jamaica Prime Peaberry,Jamaica Selectと続きます。

Blue Mountain No.1
上品で優しい香り。やわらかなチョコレートのビスケット香を主体に、黒砂糖やほのかにクミンシードの香り。
なにしろバランスがよくすべてがとけ合っている。全体のボリュームは軽やかでチャーミングにまとまっている。

Heigh Mountain

焼立てのビスケット香、焼けた石のようなミネラル香、トースト香がBlue Mountainよりはっきりしている。

味わいは酸味、苦味ともにBlue Mountainより広がりがあり、したがってよりコクを感じる。
南米のコーヒー栽培地


コロンビア
Colombia
18世紀、コロンビア、ベネズエラ、パナマ、エクアドルは同じスペイン統治下にありました。
19世紀初めにベネズエラ、エクアドルが分離され、後にパナマも分離独立し現在のコロンビアになりました。コーヒー生産はベトナムが台頭するまで世界第2位で100万トンの生産を誇ってましたが、
現在、世界第3位の56万トンまで落ちました。でもアラビカ種では世界2位です。

30万戸と言われる農園は1ha以下の小規模農家です。

1927年設立されたコロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)は内部分裂の危機があったが、現在もその統制下にあります。

ラバとフアン・バルデス(Juan Valdez)

そしてエメラルドマウンテンで世界的な知名度を上げました。

FNCは、農家からParchmentを購入し、格付けから流通に乗せ、殆どがUSAに向けだが、相場を通して販売している。

麻薬やコカインの暗黒世界があるような国で、コーヒー農園もコカやケシを栽培する所もあるなか、コーヒー政府といわれるFNCの役割は大きかったと思います。
コロンビアコーヒーの特徴は、厳しい規格による均一性にある。
そのためコロンビアコーヒーは、USAではブレンドの材料として最適だった。
規格はFNCが決めてるので、格付けとしては EX(エクセルソ)=14~16,SUP(スプレモ)=17~だけが、日本向け規格です。

supremo
ハスなどの根菜類を湯がいたようなミネラルを感じる香りと、植物系の印象。加えて、トーストのような香りが加わる。
第一印象からしっかりしと強さを持った酸味がひろがり、同様に苦味のはっきりと強い。したがって余韻も長い。
medellin
supremoに比べトーストの香りがややライトで、植物系の香りがはっきりとしている。干したさつまいもの香り。
第一印象はスムーズだが、次いでひろがりのある強い酸味を感じる。余韻にスパイシーな苦みを残す。


エクアドル
Ecuador
赤道(スペイン語Ecuador terrestre)の国である。1822年スペインから独立したものの、その後、隣国ペルーやコロンビアに組込まれた歴史を持ち、不安定な国である。近年ようやく農地改革が始まるけど、まだ農地は企業や大地主が所有してる。
コーヒーは、シェラ(アンデス地域)ロハ(Loja)県とコスタ(太平洋岸地域)マナビ(Manabi)県で作られているようだ。

Andes mountain

麦こがしのような香りをまず感じる。加えて同様に淡色麦芽、ナチュラルなビスケットなどロースト香主体。

ペルーとタイプが似ている。酸味はよりやさしく苦味の余韻の長さやひろがりのレベルはほぼ同じ。


ペルー
Peru

欠点数によるGrade格付けと選別方法(機械、電子選別機、ハンドピック)MC,MCM,ES,ESHPと、

大きさ20~14による方式です。

HG

優しい印象の香り。クルミ、アーモンド、グリエ、ビスケットの香りなどが調和し、ほのかにカラメルの香りも。

酸味がかなりやさしくまろやか。逆に第一印象からしっかりとした苦味が余韻に至るまで長くストレートに続く。


ボリビア
Bolivia
     


ブラジル
Brazil
世界の30%以上を供給する巨大生産地です。
Minas Gerais州の旧来の産地からCERRADO(新世界)に生産主体が移ってきています。
地平線が見えるような広大な大地で、機械化し大量生産できる栽培方法を取っています。
それに合った品種改良がなされてきました。とにかく大規模農場ですから1農場で何万袋も倉庫に積み上げてるので、農場単独で輸出できる力を持っています。
格付けは、欠点数方式で#2~#8(輸出規格下限)。硬さStrickt Soft,Soft,Hard,Rioy,Rio Fraver、
大きさ(Screen)は20~14です。
   
アフリカのコーヒー栽培地


エチオピア
Ethiopia
エチオピア・モカとして出荷されてます。主な栽培地域はハラール(Harar),シダモ(Sidamo),
イルガチェフェ(Yirga Chaffe),ジマ(Jimma)が有名。Harar;一次→2次仲買人→Exporterによって集出荷されてるそうです。
Yirga Chaffe;1950年代から栽培、特有の紅茶のようなフレーバーと花のような香りだそうです。
他にもWalga,Illubaborなど国内の高地全域に栽培地があります。さすがコーヒー発祥の地だけあります。
ほとんど農薬を使用しないで栽培、庭先Garden Coffeeと言われています。
中には、樹齢150~200年(樹高7~8m)で、収穫方法は樹上乾燥(Dry on Cherry)する所もあるそうです。
2010年コーヒーの麻袋に由来する残留農薬が検出され、輸入できない状況が続きました。残念です。
欠点数方式の格付け#1~#5ですが実質#2~#5しかないようです。

ハラール

ビスケットの香りに加え、ビターオレンジの砂糖漬け、甘草やシナモンなどの柑橘系スパイスの香りを感じる。

酸味がフレッシュで余韻が長い。苦味は軽やかだが、余韻に香りもあるスパイスのフレーバーを残す。


イエメン
Yemen
アラビア半島の南端ですが石油が採れません。未だに政情不安な、イスラムのお国柄です。
隣国サウジアラビアとは全く違い、意外に2,000mを超す山岳が連なる高地のある国です。紅海を渡ったエチオピアのコーヒーが昔々海を渡り、いまコーヒーが自生栽培されるほどです。
イエメン・モカとして出荷されます。イエメン・バニーマタルなど地名で呼ぶこともあります。
山あいの小さな農園からコーヒーが集められ、むかしモカ港(Moka)から出荷されたのでモカは、イエメン産のように言われてますが、本家はエチオピアです。
マタリmattari
ビターオレンジの砂糖漬けを多く含んだヨーグルトのような印象の個性的な香りがトースト香に加わる。
モカ・ハラールと比べより酸味はやさしい。ボリューム感もスマートだが苦味の余韻にスパイシーさを残す。


タンザニア
Tanzania
何と言っても唯一ドイツのプランテーションが有ったところで、今もドイツ向け出荷が多いのです。また、日本では特に人気があり“キリマンジェロ”の表示は、タンザニア産アラビカコーヒーで水洗のものとする規約まであります。
(全日本コーヒー公正取引協議会規約 1991年)

ドイツと日本でなんと3/4も買い占めています。やっぱりドイツと日本、相性がいいですね。
特に「スノートップ」や「ギボ」「AA」など北部産の最高品質の生豆は、ほとんどが日本向けです。
山間部の1ha程度の家庭畑で栽培され、老木が多く、世界一低い生産性だと言われています。
格付けは大きさによる AA(6.76mm以上), A, B, C, PB, E, AF, TT, TEX, Fがあり、検査所の鑑定:
Fine, Good, FAQ(Fair Average Quality)+, FQA, FQA-, Fair to Poor, Poorが加わります。
キリマンジェロAA
餅を焼いたようなロースト香。全体に植物的な香りがはっきりしている。
果実のフレッシュ感も感じられる。
非常に強い酸味が感じられ、フレッシュではなく深みを与えている。苦味も心地よく大変長い余韻を感じる。


ケニヤ
Kenya
 

AA

ブラックチェリーのような黒い果実の香り、ナッツやカフェクリームのビスケットの焼けた香りなどを感じる。

キリマンジェロと並びもっとも強い酸味を持つ。バルサミコのような風味さえ感じる。

余韻にスパイスとロースト香を残す。



ウガンダ
Uganda
日本のODAもあり、コーヒー栽培に熱心だ。特にCoop.の活躍で日本への売り込みにも成功している。    


ルワンダ
Rwanda
     


ブルンジ
Burundi
1962年の独立。多数派のフツと少数派のツチの対立・衝突で、1993年には内戦にまで発展している。    


マラウィー
Malawi
こんな国が有ったのか?と思うようところですが、旧ローデシアで1964年に独立した国です。
まだ、世界の最貧国から抜け出せないでいます。
「湖のガラパゴス諸島」の異名をとるマラウイ湖は、日本の九州ほどある大きな淡水湖です。
何にもないけどその美しさは最高。コーヒーは
   
アジアのコーヒー栽培地


インド
India
  上品で優しい印象の香り。特に強い個性が少なく全体に調和し、自然な香りに植物系の香りをほのかに感じる。 香り同様に軽やかな印象。やさしくなめらかで、酸味も苦味も穏やかで余韻も短く切れが良い。




中国雲南
  全体的に繊細でやさしく、かつ調和がとれている。特に個性の強い特徴が少ないがほんのりと麦こがしを感じる。 軽快でやさしく、かつバランスが良くこじんまりと調和している。なめらかなシルクタッチの舌触り。


インドネシア
Indonesia
何と言っても歴史は、オランダ東インド会社に遡ります。スマトラ島Smatera北部のマンデリンとスラウェシ島sulawesiのトラジャの2大産地です。クッキーの様なマンデリンと酸味と芳香なトラジャでは全くタイプが違います。
トラジャはkey Coffeeが開発してきましたが、最近ではカロシ・ランテカルア(山)ものが出てきました。
有名なKopi Luak
欠点数方式の格付けで♯1~♯6と精選方法(水洗式、自然乾燥式+研磨)が追記される程度です。
マンデリンG-1 Mandheling Grade 1
焼立てのビスケットのロースト香を主に、ピスタチオのような青豆の香ばしい植物系の香りをほんのりと感じる。
酸味がやわらかく、バランスの取れた第一印象。苦味は強く非常にひろがりにもコクに豊かさを感じる。


パプアニューギニア
Papua New Guinea
 

マウントハーゲン Mt.Hagen

ビスケットやアーモンドグリエなどのロースト香もあるが、干したサツマイモのような植物系もはっきりと感じる。

苦味がやわらかく、逆に酸味が豊かでまろやかな印象も。余韻にも植物系の香りが残る。
そのほかのコーヒー栽培地


州旗
ハワイ
Hawaii
1829年ハワイ島にコーヒーが持ち込まれた。
UCCは直営農場を持っている。Kona Kai Estateのコーヒー
Extra Fancy
ドライフルーツや柑橘系、スパイスの香りなどに植物系の香りとサトウキビの蜜のような香りを感じる。
非常にはっきりとした強い酸味は、フレッシュ感を感じさせる。余韻に香りにもある柑橘系やスパイスを感じる。


仏領
ニューカレドニア
Nouvelle-Calédonie
フランスの海外領土、事実上の植民地であります。