戦争は最たるホラーストーリー

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経済に与える衝撃のなかで、最も大きいものは戦争です。戦争によって、とんでもないことが起こってしまいます。
アベノミクスをアホノミクスと揶揄してきた浜矩子も、安倍政権の成長神話の下心は、大東亜共栄圏と国防費増強などとうそぶいていますが、戦争が起きたらどうなるかについて、ハッキリとは言いません。

アベノミクス三本の矢

第2次安倍政権スタートから5年を超えたのに、アベノミクスが描いた成長神話「三本の矢」はどこまで達成できたのでしょうか?

政治家という職業の人は、反省しないばかりか、次々とアドバルーンを上げるだけで、PDCAなんて意に介しない人種ですから、反省しないのは、当然なことかもしれません。
しかし、上手く行かなければ、庶民が尻拭いをさせられます。
失政のツケはいつも、庶民が払うことになるのです。

そして日銀の量的質的緩和の異次元緩和はどうなったのでしょうか? 日銀は大量の国債を、市場から買い上げ、大量のお金を市場に流し込んできました。
政府の借金である国債を無条件に、政府の御用機関の日銀が買ってきました。それも何と今や500兆円を超すというから、大変です。日本の一年間のGDP規模にまで膨らんでしまいました。
国債を日銀が買うという「禁じ手」を許してから、もう止めどなく日銀資産が膨らんでいます。

マイナス金利を発表する黒田日銀総裁(東洋経済より)

市場に溢れ出たお金はどうなってるのでしょうか?投融資に廻るどころか、銀行の中に滞留しています。超低金利誘導、マイナス金利まで発動したのに期待できる投融資先がありません。

10年国債の流通利回りは、住宅ローンなどの金利に反映されます。4年前、黒田東彦総裁は2年程度で2%の物価安定目標を達成すると豪語していたのですが、何度も先送りされました。
2%のインフレ目標は未達のまま、殆どゼロ金利の状態は続きます。とんでもないことが起きない限り、何十年も先までゼロ低金利が続くでしょう。

日銀の信頼が下がってゆきます。力強い経済成長は望めないことを、自ら立証する結果になってしまいました。
日銀総裁の任期は5年です。明年(2018年)、退任へのカウントダウンが始まります。

さて、500兆円まで膨れ上がった日銀のバランスシートは、誰が尻拭いするのでしょうか? 無責任なアホノミクスを打ち上げて、成長神話を煽った尻拭いは、結局われわれ国民・庶民が取ります。

われわれは希望のある安定経済を望んでいるのです。
これからは、生産年令人口が毎週1万人のペースで減っていきます。
成長神話を声高こわだかに唱えるような時代はもう遠い昔に終っているのです。

アホノミクスといつ迄も、付き合っているわけに行きません。
それは戦争の危機が迫っているからです。もし北朝鮮のミサイルが、何処かに落ちたら、世界経済に衝撃が走ります。経済は不安や恐怖だけで、とんでもない情況に追い込まれます。

どんなことになるか分からないことに、公式にコメントする人はいませんが、
これは現実に迫った、最たる危機です。

不安や恐怖が招くホラーストーリーの入り口に立ってること間違いありません。

軍事面で目を奪われ、戦争となったらどうなるこうなるといった呑気な解説をしてたら、とんでもないことになります。日本の財政赤字が爆発することは、火を見るより明らかでしょう。
第二次世界大戦の直後に起きたような、ハイパーインフレが起きます。円紙幣は紙くずになってしまいます。

もちろん、日銀アンコントロールの経済(ハイパーインフレ)は暴走します。かつてのソ連崩壊後のロシアや、年率5000倍にもなったアルゼンチンのハイパーインフレなど、考えただけでも身の毛がよだつような事態が起きてしまいます。

債務残高の国際比較(対GDP比) 財務省HPより

何が何でも、戦争を引き起こしてはいけません。ミサイル1発で、トランプに応戦の正当化を与えてしまいます。

世界は震撼し、恐れ、おののき、資金を日本から引き上げようとします。通貨引き下げは、桁単位で起きてしまいます。
日本の債務残高の国際比較(対GDP比)は欧米のどの国より巨大なのです。
信用不安は一挙に経済を崩壊させてしまいます。戦争が起きてからでは資産移動はできません。きな臭い状態で世界のファンドは、慌てて動き出し、パニックになります。

超財政赤字の日本が、まだまだ経済成長ができるんだと、成長神話を煽ったアホノミクス。これに同調した日銀は、異次元の量的質的金融緩和、ゼロ金利政策など、次々と手を打っている間に、「借金に麻痺した日本」になってしまいました。

逆に、ハイパーインフレというホラーストーリーのみが、超財政赤字大国ニッポンの荒治療の処方箋なのかもしれません。
そうですツケを庶民に回すのです。政府が作った巨額の財政赤字をハイパーインフレで、庶民(国民)に一挙に背負わせるのです。

言い方間違えました。税金のような秩序ある負担ではありません。立ち回り方が悪かった人や弱い人々に、生きるか死ぬかの塗炭の苦しみを舐めてもらうのです。

絶対に戦争を起こしてはなりません。そして未来から借りた巨額の借金(財政赤字)は、コツコツと何十年もかけて払うことです。
残念ながら、これしか最善のストーリーはありません。
長い下り坂をそろりそろりと下る時代を迎えています。そんなこと認めたくないでしょうが、僕らは寛容と包摂の時代の飛ばっ口に立っているのです。

そして、ゼロ成長、資本主義の終焉、新しい価値観に生きることを選択しなくてはなりません。イチから学ばなくてはなりません。

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