TPP
Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement

TPPは域内のGDPの合計が85%以上を占める6か国以上の批准がなければ(つまり、アメリカが批准しなければ)発効できない仕組みです。来年1月20日、トランプ大統領は就任の初日に、TPP協定からの離脱を表明すると伝えられています。果たして日本は、批准を急いでよかったのでしょうか?

tpp 自由貿易協定とは、現実には管理貿易協定なのです。先進国の企業が海外へ投資や取引を行う際、現地政府の規制で不利益を被らないようにするのが目的です。

投資家と国家間の紛争解決制度を作るのが目的です。例えば、薬価(の特許)の維持、知的財産権の管理体制、生命保険の自由化などのルールで相手国を縛りつけることが主目的なのです。
つまり、先進国ルールを途上国に強制的に従わさせ、新規市場を創出する。代わりに途上国には、安い労働力という資源を武器に関税障壁を低くして、輸出拡大を促すことになります。
途上国に、資源輸出のために、自然破壊や環境問題が起きても、自由貿易協定関係者は「何も知らぬ存ぜぬ」という訳です。

謂わば、先進国は市場フロンティア拡大のため自由貿易協定で安全を担保し、途上国は安値を武器に資源輸出を拡大するのです。
この構図は、覇権国=先進国は永続的に覇権を保ち続け、途上国は何時までたっても、隷属的な関係から逃れられないことを意味します。

日本もかつて、企業会計規則をアメリカ並みに改定させられました。それで一体何が起こったかというと、株主ファーストだったんです。社員も社風も置き去りにされました。気がつけば株主とは仮面をかぶった(利益だけで動く)投資家だったんです。
金融業界もビッグバンに対し大変な努力と犠牲を払って乗り越えた先の結果は何だったんでしょう?
そう、ヘッジファンドによる金融危機、通貨危機、リーマンショックを呼び起こすに至ったんです。

20世紀は戦争の世紀でしたが、21世紀は経済の世紀でしょうか?
強者が弱者を食いつぶす、弱肉強食の経済ルールに世界中が巻き込まれています。それがアメリカの新自由主義Neo-Liberalismだったのです。
他山の石ではありません。日本のアベノミクスは新自由主義の亜種なのですから。

さてTPPは本当に分かりにくい情況になってしまいました。RCEPアールセップ(東アジア地域包括的経済連携)やFTRAPエフタープ(アジア太平洋自由貿易圏)との関連が交錯しています。
更に、日中韓のFTPまで加わると、一体何がどうなっているのかもう解りません。

NHKのWebニュースの「今さら聞けないTPP」ような議論は視野狭窄で政府回し者ニュースです。
儲かるだとか、儲からないといった次元の低い議論をしていたら、TPPの本質を見誤るばかりか、これからの世紀はどう有るべきか?世界の南北問題(貧富の格差)をどうすべきか?といった高い次元からの議論が何時までたっても出てきません。

どこやらの知事ではありませんが、一旦立ち止まってTPPを考えてみては如何でしょうか?