日銀の指値さしねオペ

これまで日銀は、年間80兆円の国債買い入れと、年間6兆円のETF(株価指数連動型投資信託)の買い入れなどを継続し、マイナス金利を維持し、長期金利目標をゼロ%程度に設定してきました。ところが、その長期金利の利率が、2月3日午前中、瞬間的に0.15%まで上昇。
日銀は慌てて指値さしねオペ」と呼ばれる日銀が指定した利回りで、無制限に国債を買い入れるオペレーションを実施しました。いかに慌てふためいたかが判かります。

ここまで、日銀がなりふり構わず金利上昇を喰い止めたことはありませんでした。

なぜ、日銀はここまでして、長期金利上昇を喰い止めたのか?日銀の本音が見えます。

膨大な赤字国債の金利負担増です。国債の金利負担だけで9.9兆円(2016年度)もあるのです。国債が下落したら、長期金利が上昇してしまいます。また日銀が購入した国債の評価損が発生します。
プライマリーバランス・ゼロどころではなくなってしまいます。

日銀は、国債を10年以上にわたってひたすら高値(=低金利)で買い支えてきました。アベノミクスが始まった異次元の量的緩和以降、債券バブルと呼ばれる状態にあり、続いています。

日本の国債は超高値のまま売買され、ゼロ金利からマイナス金利へと移行しました。それというのも日銀が国債を買い漁ってきたからです。異次元の金融緩和策は、非常に剣呑な政策なのです。
バブルは崩壊する必然性があります。ひょっとしたらトランプ政権の誕生がバブル崩壊のきっかけになるかもしれません。

2月8日に発表された日銀の統計によれば、1月末時点の国債発行残高は約894兆円、日銀の国債保有高は358兆円で、日銀国債保有比率が初めて4割を超す40.05%までになっていました。

恐ろしいのは、何かの理由で金利が上昇し、日銀がコントロールできなくなったとき、いったい何が起こるのかということです。
日本の国債市場は、完全にコントロールされた状態が続いてきました。しかし「いずれ管理できない日がやってくる」危険性があるのです。
即ち、超低金利の状態に押さえつけたのは、成功してきました。
だが、政府の累積赤字(債務)を、日銀が肩代り(債権)して国債を買い漁ったので、当面の低金利が実現できているだけです。

他方で、日本政府の財政再建への取り組みは進んでいません。
そんな中で、トランプ政権が誕生しました。降って湧いたような変化の波に、日本の長期金利の急騰リスクは益々高まってきました。予想してなかったことです。

日本国債の金利急騰は、日銀の信用を失墜させ円安を招くでしょう。投資銀行などのリスクマネーが、潤沢な資金を背景にレバレッジを効かせて、日本国債の暴落を仕掛けてくる可能性もあるのです。これが本当になるかも知れないホラーストーリーです。

メルクマールは、米国の長期金利が3%を超えたときです。世界のマネーの流れが一変するといわれています。何が起こるのか誰にもわかってはいません。

参考:東洋経済